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調査統計

原発事故以来14年ぶり福島コシ相対価格が富山コシ上回る

 令和6年産米の価格高騰が、福島産米の風評被害には相対的にプラスに働いた模様だ。農林水産省が3月14日に公表した令和6年度(2024)「福島県産農産物等流通実態調査」結果によるもの。それによると、原発事故以降逆転していた富山コシヒカリとの価格ポジションが、14年ぶりに再逆転した。

 福島産米の生産量(収穫量)は、震災年である平成23年産に2割落ち込んだものの、やや持ち直して平成27年産から令和2年産までの6年間はほぼ横這いで推移していたが、令和3年産以降は約1割減が続いた。令和6年産は、令和2年産の約97%まで回復している。ただ出荷量は、他の令和6年産米と同様に(現段階まで)減少した。
 福島コシヒカリの価格ポジション(相対価格の相対的な位置関係)は会津、中通、浜通の順で、原発事故前までは、会津コシと中通コシの間に富山コシ、浜通コシの直下に関東(栃木)コシ、という位置関係だった。これが原発事故以降、富山コシが筆頭で、会津コシが常にその後塵を拝するポジションが続いた。栃木コシは会津コシの直下、中通・浜通コシの常に上だった。ところが令和6年産米は14年ぶりにこれらポジションが一変、会津、中通、浜通という福島コシの居所はそのままに、富山と栃木を大きく上回る位置についている。

福島県産米の生産量の推移

福島、富山、栃木コシヒカリの相対取引価格の推移

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