秋田県は3月31日、「奨励品種」から県産水稲うるち品種「あきたこまち」を除外すると発表した。令和7年産からの「あきたこまちR」への全面切替を促す措置とみられる。
「あきたこまち」は、昭和59年産デビューの有名銘柄。平成11年産以降、24年連続で作付割合4位の座を維持している全国銘柄ながら、その大半が秋田で作付けられている。これに対し、「あきたこまちR」は、「あきたこまち」に、カドミウム低吸収性品種「コシヒカリ環1号」を交配した後、「あきたこまち」を7回戻し交配した新品種。出穂期、成熟期、収量、玄米品質、食味などは「あきたこまち」と同等で、カドミウム吸収性が極めて低い特性を持つ。米のカドミウム基準値が厳しい海外に合わせるため(つまり輸出向け旗艦品種を想定している)、秋田県は昨年、奨励品種に採用。また令和6年産から、農産物検査の対象銘柄に「あきたこまち品種群」の一つとして追加されている。
だが交配元の品種「コシヒカリ環1号」が放射線育種であることから、「あきたこまちR」には「米に放射線が残っている」「自ら放射線を出す」といった誤解が生じ、ネット上などで誹謗中傷が飛び交っている。
今回の「あきたこまち」の除外によって、秋田県の水稲うるち奨励品種は、あきたこまちR、秋のきらめき、めんこいな、ひとめぼれ、ゆめおばこ、サキホコレ、つぶぞろい、淡雪こまち(奨励品種に準じる『認定品種』)、秋田63号、秋田酒こまち、美山錦の13品種となった。
秋田県、「あきたこまち」を奨励品種から除外
