財務省が3月28日に公表した輸入通関実績によると、外国産米輸入量の急増が2月も続いていたことが分かった。日本の米の場合、高い輸入関税率が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、2月の外国産米(枠外)輸入量は、489t、8,159万5千円に及んだ。大した量ではないように見えるし、農林水産省は「ごくわずか」と表現している(3月26日の審議会に提出した資料)。だが前年同月比だと数量+728.8%、金額+811.9%、つまり8~9倍にあたる。
単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏507円で仕入れることが出来る水準だ。また一口に外国産米といっても、例えばアメリカ、オーストラリア、中国の一部では、コシヒカリ、あきたこまちが作付けられている。もちろん原産国表示は義務づけられているから、外国産米であっても値段さえ安ければ気にしないニーズが高まるようなら、今後、全体需給に影響してくる可能性も否定できない。
精米の枠外輸入量(2月)
\ | 数量 | 金額 |
---|---|---|
タイ | 157t | 2,296万8千円 |
インド | 70t | 1,710万6千円 |
パキスタン | 101t | 2,201万3千円 |
スリランカ | 121t | 1,186万4千円 |
イタリア | 1t | 120万1千円 |
アメリカ合衆国 | 39t | 620万4千円 |
合計 | 489t | 8,135万6千円 |
