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相場

主食用米スポット価格ついに全面安、ただし小幅

 主食用米のスポット価格が、ついに下落に転じた。とはいえ、ここまでの暴騰ぶりに比べれば微々たるものだ。政府米放出の効果確認を待つ様子見とみられる。
 米穀のスポット取引業者㈱クリスタルライス(東京都中央区)は4月7日、令和6年産米の3月下期(16~末日)主要7銘柄の取引価格を公表した。それによると、全銘柄が下げに転じている。一部に表面上の下げ銘柄もあるが、これらはこの間の公表がなかったため、比較対象を昨年の出回り初期まで遡らなければならなかったために過ぎない。CRの公表銘柄数は、取引数量の多寡に応じて変動する。前回(3月上期)は公表銘柄数ゼロだった。今回7銘柄となったのは、3月26日の取引会(既報)に4,000t超もの売り唱えが入ったためとみられる。

3月下期のクリスタルライス取引価格(関東着値、1等、包装代込み、税抜き)
北海道ゆめぴりか49,747円10月上期比
+22,247円
青森まっしぐら45,676円2月上期比
▲2,907円
宮城ひとめぼれ47,769円2月下期比
▲405円
秋田あきたこまち47,637円2月下期比
▲858円
関東コシヒカリ47,909円2月上期比
▲237円
関東あきたこまち47,462円9月下期比
+21,195円
関東銘柄米45,999円2月下期比
▲781円

 我が国玄米流通の大宗を占める集荷業者-卸売業者間の「相対取引」を補完するのが、スポット取引。相対に比べればスポット取引の規模は遙かに少ないため、その取引価格はどうしても上振れる傾向にある。また米穀卸の全国団体、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の子会社である㈱クリスタルライスは、あまたあるスポット取引業者のなかでも唯一、取引価格を「公表」する存在のため、「意図的に価格を吊り上げている」といった邪推を受けやすい存在でもある。
 上記の価格は、同社の取引で成約した価格を加重平均したもの。なお「関東銘柄米」の内訳は、あさひの夢、とちぎの星、彩のきずな、ふさおとめ、ふさこがねなど。

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