微々たるものではあるが、主食用米のスポット価格が続落した。本来の特売銘柄である秋田こまちだけは反発したものの、最高値には及んでいない。政府備蓄米の3度目の放出と夏までの毎月放出がトリガーとなった模様だが、それにしては下げ幅が小さい。今後は、ゴールデンウィーク前後の売れ行き次第とみられる。
米穀のスポット取引業者㈱クリスタルライス(東京都中央区)は4月21日、令和6年産米の4月上期(1~15日)主要3銘柄の取引価格を公表した。それによると関東玉が続落している。
4月下期のクリスタルライス取引価格 (関東着値、1等、包装代込み、税抜き) | ||
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秋田 あきたこまち | 48,332円 | 3月下期比 +695円 |
関東 コシヒカリ | 47,849円 | 3月下期比 ▲60円 |
関東 あきたこまち | 46,488円 | 3月下期比 ▲974円 |
我が国玄米流通の大宗を占める集荷業者-卸売業者間の「相対取引」を補完するのが、スポット取引。相対に比べればスポット取引の規模は遙かに少ないため、その取引価格はどうしても上振れる傾向にある。また米穀卸の全国団体、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の子会社である㈱クリスタルライスは、あまたあるスポット取引業者のなかでも唯一、取引価格を「公表」する存在のため、「意図的に価格を吊り上げている」といった邪推を受けやすい存在でもある。
上記の価格は、同社の取引で成約した価格を加重平均したもの。
