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量販店頭米価の上げ幅拡大、何故か売れ行き好調

 農林水産省は5月7日、スーパーなどでの米の販売数量を、4月21日(月)~4月27日(日)の1週間で、前年同週比+18.0%と発表した。昨年8月以来、初めて前年同期比プラスが4週連続し、増加幅が拡大した。にもかかわらず4/21~4/27の販売価格は5㎏4,233円で、前週比+0.3%、前年同期比+102.7%と、相変わらず上昇が続いている。しかも2週連続で最少を記録していた前週比の上げ幅が、わずかながら+13円に拡大した。

 いわゆる「令和の米騒動」を契機に、農水省が量販店などのPOSデータ(Point of Sales=販売時点情報)に基づき算出、毎週公表しているもの。まさしく「米騒動」の頃(昨年8月中下旬)こそ前年を大きく上回っていたが、新米の出回り本格化とともに急落。以降は細かな〝乱高下〟を繰り返しながら、一度も〝水面下〟(前年比マイナス)から浮上していなかった。プラスとなったのは、5か月ぶりの1/20~1/26週と、5週ぶりの2/24~3/2週、さらに5週ぶりの3/31~4/6週の3回だけだったが、今回初めてプラスが4週連続した。
 農水省が算出基礎としているPOSデータは㈱KSP-SPが提供しているもので、対象は比較的地方の中堅スーパーが主体。イオンやIYといった大手量販店チェーンはPOSデータを自前で吸収し、公表しない。政府備蓄米の販売先が、少なくとも当初は大手に限られていたことからすると、備蓄米放出による店頭価格の下落効果がこの公表に表れるのは、まだまだ先のことになりそうだ。

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