小泉進次郎農相は6月10日の閣議後定例会見で、随意契約による政府備蓄米の「第3回」売渡の実施を明らかにした。令和2~3年産20万tを放出するもので、これまで随契で売り渡してきた大手小売業者、中小小売業者、精米能力を備えた米穀小売店すべてから受け付ける。上限を設けず、まず令和3年産12万t(10万t+随契の残2万t)申込受付を、先行して6月11日から開始、この申込状況をみて、令和2年産10万tを追加放出する。売渡価格は、令和3年産が60㎏10,080円、令和2年産が60㎏9,140円。
前農相の時代に3回の入札によって31万tを放出し、小泉農相になってから随契で28万tを放出。第3回で仮に全量が売り渡された場合、最古米である令和2年産を除くと令和3~5年産在庫が払底、令和6年産3万tだけとなる勘定だ。
一問一答(6月10日、閣議後定例会見から抜粋)
大臣 本日、私から2点、御報告がございます。(略)2点目は、備蓄米の売渡しについてであります。備蓄米の随意契約による売渡しについて、大手小売、そして町のお米屋さん、中小スーパーさんなどに、これまで約30万tの枠で売り渡しを行ってまいりました。事業者の皆様にご協力をいただいて、早い店舗では、5月31日に店頭に並べるなど、安価な備蓄米を安定的に消費者の手に渡るよう対応しているところです。今般、まだまだ備蓄米を求めている方に活用いただくため、需要があれば無制限で出すと申し上げておりましたので、新たに(令和)3年産10万t、2年産10万tの計20万tを売り渡すこととします。まずは、このうちの3年産10万tと中小のスーパーさん向けの残りの3年産約2万tについて、先行して申し込みを受け付けます。販売する対象としては、現在募集している中小のスーパーさんに加えて、一旦募集を停止している大手小売、そして精米能力を有する町のお米屋さん、これらを対象に売り渡すことといたします。これらの備蓄米については、明日11日の(午前)10時に申し込みを開始いたします。今回売り渡す備蓄米につきましては、申し込み上限数量は設けず、売り渡しを行うことといたします。詳細は追ってホームページに掲載いたします。備蓄米が早く、安く、消費者の皆さんのお手元に届くように、スピードを緩めずに対応していきたいと思います。 そして、今日は(冒頭発言が)2点と言いましたが、3点目のようなものですが、石川県の能登半島の被災地についても、ずっと心配をしておりました。なんとかこの備蓄米が届かないかと。こういった思いの中で、今回、石川県とコミュニケーションをとる中で、県の担当の職員の皆さんなどに汗をかいていただいた結果、県が中心となって小売業者や米穀店のマッチングを進めてこられました。こういった結果、県と業者間でグループ申請の合意に至り、県を事務局とする共同購入協議会から、昨日24トンの申請がありました。こういった形で被災地に求めやすい価格の備蓄米が供給されることになりますが、その過程の中で、石川県の県庁職員の皆さんに、大変なご尽力をいただいたことに改めて敬意を表したいと思います。少しでも被災者の皆さんのお支えになること、これを期待しております。本日、私からは以上です。
記者 先ほど冒頭でお話しされた、新たな備蓄米の随意契約による販売について、改めて売渡し対象者を、これまでと分けて販売されていましたが、合わせて、中小スーパーであったりとか、中小小売、町の米屋さん合わせて売り渡される理由であったり、条件を設けないようにするなど、対応変えられたねらいをお聞きしたいなと思います。2点目が、昨日公表された全国のスーパーでの米の販売価格が、2週連続で下回りましたが、この受け止めもお聞かせいただければなと思います。
大臣 今、今回の対象変更などについてのお話がありましたが、ご存じのとおり、町のお米屋さんについては、上限はヒットして、そして中小のスーパーさんはまだ上限にヒットしていないと。大手の小売さん、第1回目の随意契約のものは、これはあっという間に、48時間経たずに20万tヒットしたと。こちらの思い、目的としては、できる限りスピード感を持って店頭に並べたいと。こういった思いですから、今余っているところは、店頭に並べられる方にお使いいただきたいというふうに思いますし、そして、さらに今全国のコンビニさん、スーパーさんで、相当勢いを持って進めていただいて、これから全国的に面的に広がりを見せていくときに、店頭で売り切れなども出てきている中で、追加投入したいと、こういったところに対して、安定的に出てきますよと。こういったところをしっかりとお知らせをしたい。また、それが叶う対応したいということで、対象は今までの随契の1回目、2回目をすべて合わせて、大手小売、中小スーパー、町のお米屋さん。かつ、8月までの新米が出てくるまでに使ってくださいと。こういうルールですから、その中で対応できる方々ということで考えたときに、今まで随契の契約状況、申し込み状況を見ていますと、一番多いところで2万tなんですよね。なので、そういった中で、上限を設けずにどれぐらい追加で上がってくるかということを見た上で対応すれば、より的確に対応できるんじゃないかと。そんな思いで今回の、明日からまた始まる、新たな随契の3回目とも言っていいと思いますけども、こういった対応を我々として考えました。 そして2点目が、POSデータの受け止めですよね。これは2週間連続で下がったということは、26週ぶりということですので、こういった、何とか価格高騰を抑えたいというために、本当に様々な方々がご協力をいただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。この備蓄米の投入だけでなくて、世の中に出回っている銘柄米も含めて、値下げをしようというキャンペーンをやってくださっている、例えばJR東日本さんから始まって、今ではJR西日本から九州から、こういったところにも展開を始めたと聞いていますし、ファミリーマートさんなんかも銘柄米を下げると。こういった民間の皆さんのご協力、これもあります。そして今、随意契約が始まる前の一般入札のお米も、回り始めたということも、江藤前大臣のご努力もあったと思います。そして今、新しい方針の中でやっているこの随意契約のものと、そしてそれに合わせて、あらゆる選択肢を持ちながら向かうという、この今の覚悟、こういったことも含めて、世の中、マーケットに対して明確な政治の意思が伝わるということも、この結果を生んでいる一つだとすると、今日新たに発表した、明日からまた、追加の備蓄米を放出します。こういったことも含めて、全く手を緩める気はないと。できることは何でもやるということを改めてマーケットの皆さんにはお届けをしたいと。具体的な施策を次々投入していきたいと思います。 最後に忘れてはならないのは、農水省職員の努力だと思います。こういったスピード感と、そして日々、打ち出されるこの新たな施策というのは、農水省の職員のアイデアなしに実現できません。そして本当に、自らのさまざまな時間を使って協力をしてくれていますから、そういった官民挙げた協力の賜物だと思いますので、感謝の気持ちを忘れずに取り組んでいきたいと思います。
記者 米の価格についてお伺いします。昨日の囲みの中で、(5㎏)3,000円台にというようなお話もあったかと思うんですが、大臣としては、今後の全体の米価の見通しは、いつまでに下がるとかですとか、3,000円台にいつまでにしたいとお考えかということと、また随契と入札と銘柄米と今三極化しているかと思うんですが、それについては、三極化のままで変わらないとお考えか、この2点お願いします。
大臣 まず、いつ3,000円台にもっていきたいかというのは、今日にももっていきたいですね。1日も早く。そのために、じわじわ下がればいいとは全く思ってなくて、今の2週間連続下がったとはいえ、2週間で100円下がってないわけですから。一部、たしか北海道は100円下がっていましたね(※後に訂正)。地域的にばらつきはあるんですが。やはり全体として、3,000円台に1日も早くもっていくための施策を投入したいと考えています。そして三極化、これは銘柄米、入札米、そして随契の備蓄米。こういった形で、結果として、今までは高いお米しかなかったところに、手が届く。そういった価格帯で、お米が届けるようなことができていることは、私は間違いなくプラスだと思います。この日本経済全体の物価と賃金の好循環を決して腰折れさせてはならないと。その原因が米であるとしたら、そういったことを早く対処しなければならないという思いですから、そこは前向きに捉えていいのではないでしょうか。そして今、こういった政府の強い思いだけではなくて、民間の中でも独自に、消費者の皆さんが安心して買える価格でお米を提供しなきゃいけないということで、今アメリカからの関税を払ってでも入れるという、こういったスーパーさんだけではなくて、今日も報道で出ていますが、台湾からのお米も、過去最高、そして今までと比べて6倍。今年もしかしたら1万t台湾から入ってくるという見立てもありますけども、やはりこういった形で、国がこのような随意契約に対して、打つ手に対してどうなのかというさまざまなご指摘ありますけれども、手をこまねいていたら、どんどん外国産米が棚を占めていくのは、これは民間独自の動きでも出ているわけですから、我々が今なんとかして国産米離れ、そして消費者の米離れを防ぐと、こういった思いでやっていることも改めて、何度も生産者の皆さんにもご理解をいただけるように、丁寧な説明を続けたいと思います。
記者 今回、令和2年産というのを初めて出されることになるかと思うんですけれども、今まで令和3年産は5kgで1,800円という価格設定を想定されているところですが、令和2年産についてはどれぐらいの価格を考えていますか。
大臣 まず今回は、残り20万tのうちの10万tの令和3年産米をまずは受け付けます。そのあとに、仮にこの10万tがヒットしたら令和2年産米ということになりますけども、仮に令和2年産米となれば、今の形を計算していくと、令和3年産米が5kg当たり1,800円程度、そして令和2年産米は1,700円程度、こういった形になるのではないかなと思います。ただ、明日から受け付けるのは、今、中小スーパーさんに対して募集をしている、残りの約2万tと、そして令和3年産米の追加の20万tのうちの10万t。これがまずは受け付けますので、令和2年産米はその後ということになります。
記者 今回の中小スーパーの枠が埋まらない点とかを見ますと、量が足りないということよりは、流通上の問題であるとか、精米というところがボトルネックになって、手が上がらないという声も聞きますが、量を出すことよりも、まずはそういうところのボトルネックを解消するということが大事ではないかと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
大臣 ボトルネックに関しては、一個一個解決する必要はあると思いますので、例えば今、全米販の皆さんが公表したことだと、9割ぐらいの精米の稼働率だと。一方で、この前お会いをした大手の精米機メーカーの方からお話を聞きましたけども、都市部の精米の余力はあまりないけども、地方では余力があるのではないかと。こういったことのご指摘もありますので、そういったことを情報収集をちゃんとしながらマッチングの努力は農水省としてもしたいというふうに思っていますし、物流面の課題については、国交省のチーム、これがありますので、日々連携をとりながら解消したり、また課題があれば、そこを埋めてく努力はします。ただ、それを待って、流せるところに供給しないということでは、店頭に並びませんので、ここは並べられる、売れると、そういったところについて、必要なものを供給をしていくということは、今の対策にとってはすごく大事なことだと思います。
記者 間違うといけないので伺いたいのですが、新たな備蓄米放出は、(令和)3年産が10万tと2年産が20万tで、まずは3年産10万tと中小スーパー向けの2万tの計12万tを先行して売ると理解したのですが、中小スーパー向けで今申し込みを受け付けている分の6万tのうち、大体4万tぐらいは一旦頭打ちになったという理解でよろしいでしょうか。
大臣 まず訂正をさせていただくと、今のご指摘は違って、20万tのうち、令和3年産の10万tを明日から受け付けますと。プラス、中小スーパーさんの残りの2万tを明日あわせて募集しますと。この対象は大手小売さん、中小スーパーさん、町の米屋さんですと。なので令和2年産米は先ほど、前のご質問でも述べましたけども、まだ受付は開始しませんが、この令和3年産米に対する上限をヒットしたら、その時にいきますということです。
記者 新しい随意契約のところは、これまで随意契約を結ばれた企業さんも再度申し込みができるようになるということですか。
大臣 そうです。
記者 聞き漏らしていたら恐縮なのですが、20万tの根拠についてお聞かせください。
大臣 1回目の随意契約でも、20万tという形でやらせていただきました。そして、残り30万tある中で、まずは令和3年産米は、もう世の中に出回っていますので、この令和3年産米から出していこうということで、今最初の10万tの令和3年産米を出していくと、こういった考え方です。
記者 前回も質問させてもらったんですけれど、米の需給動向を図る指標になる6月末在庫で、来年6月末の在庫が今、米の生産量が増えているということと、備蓄米を61万t放出する予定ということで、それを考えると、270数万tになる計算となっていて、180~200万tが適正生産量という中で、かなりじゃぶじゃぶに溢れて需給が緩和するような局面かと思うんですけど、そういった中でさらに20万t放出するということは、情勢的に需給の緩和をさらに進めるという上で、危険な手法な気もするんですが、そこの受け止めはどうでしょうか。
大臣 平時だったらそれは言えるのかもしれませんが、今は平時ではありませんので、実際価格を見れば、全くこちらが期待をするような下げにはなっていないですよね。なので、むしろ今、じゃぶじゃぶになるんじゃないかというふうなご心配をいただくことは、プラスだと思います。世の中には、私たちとしては、これはじゃぶじゃぶにしてかなきゃいけないんだと、そうじゃなかったら価格は下がらないと、その思いでやるんだということで、あらゆる選択肢は持ちながら向かいたいというふうに申し上げていますので、もしそういうふうに思っていただけるんだったら、マーケットとしてそういうふうな動きが出るでしょうし、我々として今の局面で考えなきゃいけないことは、今、この状況を変えるということですから。そのためには、かなり強い手段をとっていかなければ、なかなかこの長引いている価格高騰のトレンドは変わらないと。2週間下がっているとはいえ、全くこの100円レベルで下がるとかないわけですから。そういった強度を出すためには、まだまだやらなきゃいけないんじゃないですかね。
記者 例えば価格が下がったときに、生産者の側から農水省に対して責任といいますか、農水省がやったからこうなったというような、そういう意見も出るかと思うのですけれども、それに対してはいかがでしょうか。
大臣 やらなくても批判は出ます。価格高騰を放置をしたら、それはそれで、もうすでに、例えば価格高騰の結果、お米が集まらなくてお米屋さんがつぶれたり、お弁当屋さんがつぶれたり、そして価格高騰が要因となって、消費者の皆さんの米離れが進んだり、そしてさらに価格高騰が進んで、関税を払ってでも外国産米の方が高いということで、棚が外国産になったり、これは消費者の皆さんにとって、私は歓迎できないことだと思います。政治というのは、これだけ緊急事態での異例の手段ですから、やれば批判もあるし、やらなければ批判もあるし、最終的には責任を負って、結果責任と説明責任を負うのが政治の仕事ですから、そういった覚悟でやっています。
記者 先日の米関係閣僚会議で検討対象になった、農家への所得補償なんですけど、急いでやる必要があると思うんですが、いつ頃からスタートされるお考えなんでしょうか。
大臣 これは令和9年度(2027)から新たな水田政策に転換をしていくということの中で、セーフティーネットをどうすべきかというのは検討されていきます。
記者 令和9年ではちょっと遅すぎるんじゃないんですか。今年にでも決めて、すぐにでも農家への所得補償をしないと、ただでさえ輸入米が増えて、もう国内で米を作っていられないと思って、米作りをやめてしまう農家の人が続出するんじゃないかと思うんですが、何でもっと早くスピード感を持って実行に移そうとしないんでしょうか。
大臣 大臣就任以降、相当スピード感を持ってやっているつもりです。一方で、農家の皆さんのセーフティーネットづくりというのは、今までセーフティーネットを活用してきた方、収入保険とかも含めて。こういった方々がいる一方で、やはり、あるのに使っていないっていう、そういう現状があるとしたら、やはりまずはそういった収入保険も含めて入っていただきたいというメッセージを、しっかりと伝えたいと思います。そして、今の価格高騰に対して、先ほどの日農さんもそうですけども、下がったらどうするんだ。その時の責任は、と言いますけども、今は価格高騰のこの結果をなんとか抑えるということをやっているときに、その先に、今までの批判とは真逆の、今までは高いのをどうするんだ、そして今は安くなったらどうするんだ、両方ともあるから動かないというのは政治としてはありえません。なので、これから仮に下がったっていうときに、下がり過ぎたときの対応のために、そもそも用意しているのが収入保険やセーフティーネットです。これが不十分だとすると、さまざまなご提案をもとに、柔軟に考えなければいけないということで、これは与野党の垣根を越えて議論をするというのも、今日この後、参議院の質疑がありますけど、参議院の決議でもいただいておりますので、その中で議論をせよ、というのは、野党の皆さんからも言われています。なので、この参議院などの国会の決議から見ても、貴殿のように、今すぐ決めろという決議ではなくて、令和9年度の水田政策の新たな展開に向けて、しっかりと議論をして決めていくべきだということなので、そこはご理解をいただきたい。
記者 野党は、すぐにできないんだったら、政権交代して野党にやらせろというふうに言っているんですが、もっとスピードアップするお考えはないんでしょうか。
大臣 そういうふうに野党が言っているとは承知していませんし、そういうもしも判断だとすると、それは内閣不信任案ということになると思います。それもどうするかわからない状況だと思いますので、貴殿が聞いている、今すぐ政権交代というのは、ぜひ(立憲民主党の)野田代表に、記者会見に行って聞いていただけたら。
記者 農家への所得補償をすぐに実現しないんだったら、令和9年とか、そんな遅いスピードだったらすぐにでも政権交代して野党にやらせろというのが、立憲民主党・小川幹事長が言っていたんですが、先週の質問に関連して、戸別所得補償制度をバージョンアップしたのが、今の直接支払制度だと、立憲民主党の政策にはそういうふうに前置きとして書いてあるというふうに言っているんですが、これはご理解されてないんですか。先週の会見だと、全く別物のような言い方をされていましたけど、バージョンアップして単に呼び方を変えたというふうに立憲民主党側は言っているんですけど、そういうご認識はないんでしょうか。
大臣 バージョンアップして、ただ呼び方を変えたということは、バージョンアップじゃないんじゃないですか。
記者 先ほどの追加の放出の件で確認したいのが、(政府備蓄米は)残り10万tあるということになると思うんですけども、これはやっぱり10万tにしたのは、万が一、災害が起きたときのために備えて、先ほど1回が20万tだからという話もございましたけど、やはり災害のことを意識して10万t残すという、そういう判断でしょうか。
大臣 そうですね。そういったことも含めて、過去の事例を考えますと、東日本大震災で4万t、熊本地震で90t、こういったことがありますので、十分対応できる水準だと、そういうふうには思います。
記者 令和2年度の10万tの受付は、令和3年産、残り12万tですかね。これを処理し終わってからということでしょうけども、受付の開始時期の見通しとしては、どのぐらいをみていらっしゃいますか。
大臣 これは大手小売の皆さんを対象のものが、予想を超えて48時間以内で上限にヒットしたということを考えると、今の時点で言うのはなかなか難しいなとは思います。まず明日始めてみて、明日の受付状況がどうなるか、そういったこともよく見ていきたいと思います。
記者 石破首相が掲げています、米5kg3,000円台の数値目標なんですが、これはどういった指標で測っていくのか。POS価格でいいのか、それとももっと違う指標がいいのか、これは小泉さんとしてはどのようなお考えなのでしょうか。
大臣 ご指摘のところは、私も思うところはあります。というのも、このPOSデータというのは農水省がもともと持っている1,000店の、スーパーが対象なんですよね。一方で、今回随意契約で備蓄米を扱っているところは、もともとPOSに入っていない。こういったところがちゃんと反映されなければ、正確な世の中の数字としては捉えられない面もあると。なので、POSデータで今までどおり発表するということをやりながらも、より世の中の状況が正確にわかるような情報だったり、データだったりを、発表することもできないのかという思いはあるので、またいろんな、自民党側からもそういったご指摘、これも受けますので、少しそこは考える余地があるだろうなと。我々としては、なので、今農政局の皆さんにもご協力をいただいて、全国での店頭の価格を、まさに皆さん走り回って、店頭で調べて発表させていただいているのも、より正確に世の中の動きを発表したいと、そんな思いからです。ここは引き続き、考えたいと思います。
記者 先ほど北海道は100円ほど下がった(※後に訂正)というお話がありましたけども、昨日発表した、原則6月5日時点の複数原料米の価格調査結果ですけども、近畿地方とか、その周辺の地域の最高価格が4,000円を超えていまして、東日本がわりと3,000円台があるという中で、地域的なばらつきがあるんですね。この要因の分析と、特定の地域に絞った価格抑制対策というのは今後考えられるのかどうか、そのあたりお願いします。
大臣 これは、例えば6,000円越えをしている一部の離島ですとか、こういったことというのは、今情報収集しながら、なぜそういうふうになっているのかということは情報を集めています。今回の47都道府県で最低価格と最高価格で、今回随契の2,000円のが入ってきている結果、今までの価格差の1,500円の差を超えて、約3,000円の価格差というものが出ている。こういったことを、地域性をどう捉えるのかというのは、よく分析しなきゃいけませんが、まずは、この情報公開をする中で、それぞれ、よくこの要因とか経費とかこういったことをご指摘をいただく中で、我々も探っていきたいと。自然になかなかこの価格差は説明できないよねという動きがあれば、正されていくということも期待をしています。
記者 先日、立憲民主党の原口議員が、古古古米は鶏が食べるものであって、人が食べるものではないというような発言がありました。その発言に対する受け止めと、実際の備蓄米の運用上、こうした古古古米であったりとか、古いお米を出していると思うんですけども、それはこれまでの過去の実績としては、どういうふうに運用されていたのかということについてお話を伺えないでしょうか。
大臣 政府備蓄米は、有事の際には主食用として供給できるように、保管倉庫内の温度を15℃以下、湿度を60~65%に保つなど、主食用としての品質の維持を図っています。また備蓄米は飼料用だけではなくて、海外への食糧援助用にも供されていると承知をしています。ですので、これはそもそも人が食べているものではないというご指摘は、備蓄米制度の運用の趣旨や実態とは異なるものでありますので、大変遺憾だと考えています。そして、私は備蓄米の倉庫にも視察にも行かせていただきましたが、おそらく皆さんも、記者の皆さんの中でも現場に行った方は、あれだけ綺麗な倉庫で、衛生管理も行き届いていて、ああいったご努力のたまもので、今こうやって備蓄米を国民の皆様にも提供できている。そういったことに対して私は感謝の思いがいっぱいですので、こういった発言は非常に残念だというふうに捉えております。
大臣 先ほど私が北海道で一部100円下がっているというのは、全国中央値が100円下がっているということでありました。訂正させていただきます。