帝国データバンクが6月10日に公表した今年4月の「カレーライス物価」は1食429円(前月比+8円)となった。比較可能な平成27年(2015)以降の10年間で13か月連続の最高値更新にあたる。また前年同月比+108円、4か月連続で最大上げ幅を更新した。何といっても米価高騰が大きく響いているが、ニンジンをはじめ野菜類の高値推移も影響している。
「カレーライス物価」は、総務省の小売物価統計調査結果から、カレーの調理に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)にまとめた「カレーライス1食あたりのトータルコスト」を示すもの。
このカレーライス物価を基に、令和2年(2020)平均を100とした帝国データバンク独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、4月は「156.7」。前年同月比+33.6%で、23か月連続で上昇、過去最大を更新している。10年前からは約7割の値上がりにあたる。
総務省の小売物価統計は、毎月1回、全国都市別の公表が基本だが、その約1週間前に、東京都区部のみ先行して公表される。4月の小売物価統計(東京都区部のみ)はすでに公表されている(既報)ことから、帝国データバンクは5月の「カレーライス物価」を予想している。それによると、野菜類がいずれも平年を上回る見通しで、輸入牛肉の価格も上昇傾向での推移が続くことから、「『カレー具材』が初めて1食220円を突破するとみられる」と指摘。米価は「5月時点で店頭価格は値上がり傾向が続いており、記録的な高値が続く見通し」として、5月のカレーライス物価を448円と予測した。
ただし、政府備蓄米の放出による米価の引き下げ効果もみられることから、これを試算。最も安くなるシナリオでは、最大2割の値下がり効果を指摘している。だが、「1食あたり200円台で推移した一昨年の水準まで低下する可能性は低く、食卓では中長期的な物価高の影響を受けるとみられる」とも。


