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施策・政策

小泉農相、米扱う全7万業者を対象に流通量調査

 小泉進次郎農相は6月17日の閣議後定例会見で、米穀を扱うほぼ全ての業者を対象とした流通量調査の実施を明らかにした。今回の米価高騰の要因の一つである〝不足感〟の解消に向け、「正確な流通実態の把握」に乗り出すもの。7月下旬にも調査結果を公表する運び。
 まず一定規模以上の集荷・販売業者に限っていた従来の調査対象業者を、米穀を扱う「全ての届出業者」に拡大、約7万業者(昨年3月末現在で6万8,912業者)に「集荷・仕入・販売・在庫数量の報告を求める」。平成16年(2004)以降、年20精米t以上の業者は届出さえすれば米穀の集荷・販売が自由化されており、これらをまとめて「届出事業者」(食糧法47条)と称している。従来の調査対象業者に対しては立入調査を実施し、報告内容と台帳との突合作業を行う。さらに届出業者ではない中食・外食業界、スーパーなどの小売業界、冷凍食品やパックごはんなどの食品製造業界も報告調査の対象とするよう、調査設計のためのヒアリングを開始する。

一問一答(6月17日、閣議後定例会見から抜粋)

 大臣 本日、私から1点、御報告がございます。米の流通実態の把握の強化についてご報告をいたします。平成16年(2004)以降、米の流通は原則自由化され、米の流通が多様化してきたことに伴い、従来からの集荷業者、卸売業者を中心とした、報告だけでは、取引や在庫などの流通実態の把握ができなくなっていることが課題と認識をしています。このため、食糧法(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律)第47条に基づき、届出をしている全ての事業者に対して、本年6月末現在の集荷・仕入、販売、在庫について、食糧法第52条に基づいて報告を求めることといたします。
 また、従来から報告を求めてきた集荷業者、卸売業者に対しては、大手の事業者を中心に、実際に現場や事業所に訪問させていただき、台帳と報告内容とを突き合わせをする訪問調査を、食糧法第51条に基づく調査として実施いたします。
 さらに、これまで玄米ベースでの在庫の把握のみであったため、報告や調査の対象業種としていなかった、中食・外食業界、スーパーなどの小売業界、冷凍食品、パックご飯などの食品製造業界も報告・調査の対象とするよう、調査設計のためのヒアリングを行ってまいります。いずれも、現行の米の流通制度となった、平成16年以降、初めての取組となりますが、米の流通実態の把握の強化に向け、関係者のご理解、ご協力も得ながら、取組を進めてまいります。来月下旬には結果をとりまとめて、皆さんにも報告をしたいと考えています。本日、私からは以上です。

 記者 昨日米の販売価格に関してのデータが公表されました。3週連続の引き下げとなりましたが、この受け止めと、あわせて随意契約で売り渡した米に関しても、昨日公表されました。米全体の流通を把握されるという中で、随意契約による米の流通量や販売動向について、米の全体価格に関してどのように影響しているか、考えられるのかお聞かせください。

 大臣 まず、昨日公表したPOSデータでは6月2日から6月8日までの週は、前週に比べて48円低い4,176円と、3週連続の下落。これは、一昨年の8月から9月以来、90週ぶりということです。今回の結果には随意契約による備蓄米の販売が反映をされ、ブレンド米の比率が増加傾向で推移していることもあり、価格は下落傾向だというふうに見ています。随意契約により販売した備蓄米は、今量販店の皆様をはじめ、今週から東京の町のお米屋さんも含めて、そしてまた今日からセブンイレブンさんも含め、コンビニ、またそこに届ける物流事業者の皆さんなど、多くの関係者のご尽力により販売が進んでいます。備蓄米を求める消費者の皆様に早く行き渡るよう、引き続きスピード感を持って取り組んでまいります。

 記者 米価格高騰の要因と対策について、大臣自身の現時点でのご見解と意気込みをお伺いしたいのですが、事実上の減反政策の継続と、農家への所得補償予算の減少が、米不足、価格高騰の要因になったというふうにお考えになっていないでしょうか。減反政策の転換と農家への所得補償制度導入への意気込みがあれば、ぜひお伺いしたいです。

 大臣 一昨日福島にもお伺いをして、農家の皆さんからも、やはりこれからは、お米づくりを前向きにやりたいと。特に、作るなではなくて、意欲を持って、もっと作っていきたいと。そんな方向の農政に転換してもらいたいと、そういうお声を正面から受け止めさせていただきました。その上で、昨日は統計の見直しも発表させていただいたとおり、このように生産者の皆さんが現場となかなか実感が違うなと。こういう声に耳を傾けていく農政というのは、私は改めて必要なことだと思っていますので、これから中長期に向けた議論になりますが、やはり、今までのこの管理型ともいえるような、こういったところから、より開放的に農家の皆さんの経営を尊重する、こういった方向に向けて私も努力をしたいというふうに思っています。
 2つ目のご指摘で、補償やセーフティーネット、この支え方をどうするのかということについては、やはり仮に、農家の皆さんが作りたいという暁に、やはり作って、余って、それを国が買うと、こういったことにはならないと思いますから、改めて農業経営の基盤として、そしてリスクヘッジの一つとして、我々も用意をしてきた収入保険に加入をいただくことも含めて、やはり農家の皆さんの経営努力、こういったことについての備え、これはむしろ今以上に求められる時代に入るというふうに思いますので、この収入保険の改善も含めて、様々なご提案を真摯に検討していきたいと思います。

 記者 ということは、減反政策の転換と、農家への所得補償を強化すると、導入していくというのが、基本的な考え方と理解してよろしいのでしょうか。

 大臣 これは安倍政権のときも、いわゆる減反廃止ということをやってきましたけども、今後、転作という形でできる限り、需要をどんどん減少しているので、それに合わせて、あまり主食用米が出ないようにという状況から、それでもどのように農家の皆さんの意欲を後押しどうできるかっていう方向に真摯に向き合う、こういった方向性だと思います。その中での支え方、こういったことについては、今、与野党からも様々なご提案がありますので、そのご提案も含めて、令和9年度(2027)の見直しに向けて、しっかりと議論をさせていただきたいというふうに思っています。

 記者 最後に、防衛予算が増える一方で農水省関連予算が減ってきていますが、この食料安保軽視の姿勢についても、改めていくというふうにお考えなんでしょうか。

 大臣 そうですね、私も大臣になって改めて、農水省の予算は約2.3兆円ですが、その中で自由に使えるのは裁量的経費と言われますが、7%ぐらいなんですよね。これでは誰が大臣になっても、こういう方向に予算を使いたいと言っても自由度がほぼない。こういった状況だから、結果補正予算を活用するんですよね。今回、自民党、公明党の方から、別枠で2.5兆円と集中構造転換の予算、これが提言がありました。今回骨太にも、この別枠という形で入ったというふうに聞いていますけれども、やはりこの安全保障の面で、国民の皆さん、そして経済界、この活動の基盤となるのが、やはり食でありますから、食料安全保障を考えても、私としては予算も増やしていきたいと、その努力をしたいと思います。

 記者 私からは冒頭の流通調査について2点お伺いします。まず1点目が、協力は任意になるのか、なにか事業者側が協力しない場合は罰則等あるのかというのを教えていただきたいというのと、もう1点が、政府が米の流通状況を把握することの意義といいますか、今後の米政策を進めていく上で、どういった意義があるか教えてください。

 大臣 まず今回の米の価格の高騰はなぜ起きたのか、このことは国民的な関心事であると同時に、解明を進めることは、我々農水省にとっても農政に対する信頼を勝ち得る上で、私は極めて重要なことだと思っています。昨日も統計の見直しを発表させていただきましたけれども、それも、なぜ米はないのか、そしてなぜ米はこんなに高くなったのか、本当は余っているのか足りないのか、どっちなんだと。この声に対して、まず我々に対する、農水省のデータは本当に大丈夫なのかということも真摯に受け止めるところから、見直すべきところは見直すことから始めなければ、民間の皆さんのご協力をお願いするということはなかなか言いにくいだろうと、そんな思いもありました。ですので、今回農水省としては初めてのことになりますけれども、我々も見直すべきは見直しますから、ぜひ調査などにご協力をいただいて、そして、この流通の現場で実際何が起きているのかにご協力をいただきたいと思っています。それがまさに(食糧法)51条と52条に基づく、報告を求めることと、調査をするということであります。
 なお、協力をしなかったらどうなるのかということでありますけれども、仮に虚偽の報告、こういったことがありましたら、52条の方でありますが、場合によってはこれは罰則、そして最終的に、これは疑義があるというようなことがあれば立ち入り検査と、こういったことは可能というふうになります。

 記者 今大臣から発言もありました、統計の見直しの関係でお伺いします。先ほど大臣がおっしゃっていたように、データ全体の信頼性っていう話もありましたし、そもそも今回の話の根本にあるのは収量の問題だと思うのですけれども、そこについての見直しというのはどのように進めていかれるのでしょうか。そこがまずスタート地点なのかなというふうに思っていたのですが、これまでの発言から考えても。そこについてはどうか。

 大臣 まさにそこがポイントだと思うのですが、なかなか統計の世界って複雑で、しっかり丁寧にしつつ説明をしなければいけないなと思うのは、昨日の見直しの中で、特に作況指数の公表廃止。これはもともと、収穫量の把握のためのものではないということで、今のご指摘の収穫量の調査についてはどうするんだということは、昨日発表したとおり、収穫量調査の精度を上げる、これからの改善策を講じていきます。一つは、篩目を、農家の皆さんが使っている1.7(㎜)から1.8(㎜)から1.9(㎜)、これに変更していくこと。そしてまた、最新の技術、人工衛星、気象データ、そしてAI、こういったものことも使いながら改善をしていく。そしてまた、現場の皆さんのご協力も得ながら過度な標本調査を改めて、生産者の皆さんのデータ本位に転換をしていく。こういったことがまさに収穫量の調査なんです。昨日の発表の、この作況指数というものに対して、一部の流通の業界から、これは今日の日農さん(日本農業新聞)の3面に「業者が需給が見通しづらく」という見出しでありますけれども、まさに本来収穫量じゃないのに、この作況指数に基づいて流通全体が、これが需給の見通しを作るベースだというふうになってしまっていることを変えたい。こういったこともありますので、これは、そういう前向きな見通しが立てやすく正確なものになっていくという見直しを、昨日発表させていただいたというふうに捉えていただきたいと思います。

 記者 作況指数の、そもそも統計自体の指標になるものの廃止なんですけれども、これまでずっと続けてきたものを廃止するのはどうなのかというような意見もネットなどでは出ていますが、その点についてはどう感じになりますか。

 大臣 これは、やっているとこの数字はどうなのか言われ、廃止すると廃止するのはどうなのかと、両方出ます。ただ私として大事にしたいのは、統計は極めて専門的な世界です。なので、これは政治的に変えろとか廃止をしろというのではなくて、長年ずっとやってきた専門部局が、我々はこう考えたという、その提言を私は重く見ました。ですので、昨日も申し上げましたが、これは今の状況になって、農水省の皆さんと、私が大臣就任以降本当に濃密に議論をさせていただいている中で、この統計に対して、担当部局から上がってきた一つに、この廃止というのが入っていたわけです。私も廃止でいいのかというふうに言いました。その廃止に向けた思いになった、統計部局の考え方、これもしっかりと聞いた上で、最終的にそれなら皆さんが考えたとおりだと私も思うと。ついては、そのとおりでいこうと。これは最終的には大臣の責任です。一部いろんな声があると思いますが、70年間続けてきたものですから、その70年間の経緯や積み重ねを踏まえて、いろんな声が出るのは当然だと思います。しかし、今この局面で、70年間続けてきたから続けるんだという理屈の方が私は理解が得られないと思います。今は変わるべきときではないでしょうか。

 記者 昨日の説明の中で、統計に対する誤解があるということをずっと繰り返していらっしゃったと思います。誤解があるというか、70年間続いてきた統計なので、そこに対しての説明は農水省としての説明が十分だったというふうに感じになっているのでしょうか。

 大臣 それを改めなければいけないと思ったから、今回統計部局は廃止ということを選択をしたと私は捉えています。つまり、今ご指摘があった、現場からの違和感とはなにか、また流通からの違和感もなにかということは、作況指数というのは、その年の10a当たり収量が、過去30年間のトレンドから算出した平年収量と比べて多いか少ないかを示したものであって、収穫量全体が多いか少ないかを表したものではないわけです。なのに、収穫量全体が多いか少ないかを表しているというふうに受け止めておられる方が多い。まさに先ほど日農さんの記事を紹介しましたけど、流通の方の、これで需給の見通しが立ちにくくなったと。まさに収穫量全体が多いか少ないかを表したものでないのに、そう受け止めてしまっているという状況が続いていたことを正さなければ、それは違うんですと。もしも流通全体のプレーヤーの中で需給の見通しと思ったら、それは収穫量調査なんです。昨年と今年の比較、ここに向けていくには、収穫量調査に基づいて30年間のトレンドと比較して出している作況指数、これを残していくよりも、昨年との比較は収穫量調査を見てください、そしてそれに対して様々なご指摘があるんだったら、それを改善していきますから、皆さんご理解ください、こういった方向に、昨日我々はお話をさせていただいたと、そういうことです。

 記者 冒頭の発言の件でお伺いします。法に基づいての調査になると思うのですが、法だとこれまでも調査ができたのかなと思うのですが、これまでしていなかったものを今回改めてするということの理由を改めてお願いしたいのと、これまでも6月末の在庫ではかなりの量を把握できていたかと思うのですが、今回調査を改めることによって、どれくらいの全体に占める流通量の割合を把握できるようになるのか教えてください。

 大臣 まず先ほど申し上げた、食糧法第47条に基づき、届け出をしているすべての事業者に対して、本年6月末現在の集荷・仕入、販売、在庫について、食糧法第52条に基づき報告を求めると。これにしたところでいうと、第47条に基づく届け出をしているすべての事業者は、約7万事業者になります。この7万にすべて悉皆(しっかい)調査をかけます。悉皆の報告を出していきいただきますので、ここまで、全体を把握するというところに踏み込んだというのは、今の米の価格の高騰が、やはり過去と比べても、間違いなく異常事態である。そういったところを捉えて、前例にない取り組みも含めてやっていかなければならないと。そして51条、これは、訪問して、今までつけてもらっている台帳と実際のものが合っているか、こういったものも突き合わせをするというのは、実は今までやってこなかったのですよね。そこまでやりますということは、我々が流通全体の解明に対して本気である、そういったことに対しても明確なメッセージとしたいという思いは私にはあります。ですので、国民的な関心事でもありますし、どこにどれぐらいお米があるのか、ないのか、こういったことについて、一歩これから進めていくと、そういった取り組みの一環だと思っていただければと思います。

 記者 不勉強で恐縮ですが、7万の事業者というのは、卸とか集荷とかそういったところですか。

 大臣 これはそうです。

 記者 今のご質問に関連してなんですけれども、調査の対象外だったパック事業者とか、中食・外食とか、これはどのくらいの業者数を見込んでらっしゃるのか。まずお聞かせください。

 事務方《農産局農産政策部・武田裕紀企画課長》 これから業界団体とどれくらいの設定にしたらよいのかというのを伺いながら決めていきます。

 大臣 まずはその調査を設計するためのヒアリング、これを今ご指摘のとおり、今まで対象業種ではなかった中食・外食業界、スーパーなどの小売業界、冷凍食品、パックご飯などの食品製造業界、まずヒアリングから始めていって、どのような調査手法、調査設計にするのかを考えていきたいと思います。

 記者 ヒアリングの時期はいつごろを想定されているのですか。

 事務方 今日程調整をしており、来週以降順次やっていきたいと思います。

 記者 業者側の報告の期限というのはいつになるんですか。

 大臣 これは来月下旬には結果を取りまとめて報告をしたいと考えていますので、52条の報告、それと51条の調査、そして今までの対象外となっていた中食、外食、小売、そして食品製造業界、このヒアリング、これは、それぞれに濃淡は出てくる形にはなると思います。ただ、来月の下旬に向けて、公表できる限りのことを整理をして公表させていただく、そう考えております。

 記者 先日のインターネット番組の出演で、企業の農業参入をめぐって、企業側が農地所有に関して、49%しか企業が持ってはいけないというようなご発言がありましたが、これは農地所有適格法人の要件のことを指しているのかと思いますけれども、この要件もすでに条件付きで緩和されたという経緯もありますが、こういったご発言の意図と、なにか見直しを検討しているのかということを教えてください。

 大臣 これは今日、経団連の皆さんとも意見交換・懇談会を開催させていただきますが、私はこれから間違いなく農地の担い手が減って、そしてこれは日農さんが詳しく一面でも、これは先週か先々週に報じられていましたけど、もう5年後、10年後にはもう地域計画の中でも、白地になっているとこが多い。つまりそこに誰も担う人がいない。そのときに引き続き、株式会社悪玉論みたいな形で、絶対だめだと。むしろ誰もその農地は管理しない、こういった耕作放棄地にするのがいいのか、それともより積極的に今までとは違うプレーヤーにも入ってもらう、そのことによって農地をこれから活用し、また維持し守っていく、そういった方向の選択が迫られる時期が私はこれから将来必ず来ると思っています。そして今平均年齢70歳のこの世界に、やはり若返りをしていかなければ、未来がないのは当然ですよね。この中で、若い方々が農業に新たに、これは家族経営の方また別ですよ。だけど、どういう業界になったら働きたいと思う業界になるのかといったら、やはり他産業との比較というのは絶対考えますよね。自分が就職活動するときに。その時に週休2日休みがあるのかなとか、今のこの賃上げや福利厚生が、特にこのメディアの皆さんの会社とかは大手の方が多いので、どんどん待遇とかが良くなっている中で、それでもなお農業に、というときに、やはり今一部で見られているのが農業法人。これは大きな企業が持っている中の農業法人で、単年度の黒字にならないけども、安定的に農業ができて、かつ社員という形で週休2日があって、農業が営み続けられると、こういった部分も増やしていかなければ、私は担い手は現れないと思うんです。なので、これがすべてになることなんて全く思っていません。だけど、例えば農協系統の中で働いている多くの皆さん、そして家族経営の皆さん、そしてまた企業がより生産の部分にももっと前向きに参入をして、そして担っていくところ、こういったところというのが増えていかないと、どう考えても今までのプレーヤーだけで今後の将来を考えるのは、私はそれこそ非現実的だというふうに考えています。

 記者 その点が出資の要件と関わるということなのでしょうか。

 大臣 あらゆる議論はしたほうがいいと思っています。特にこれから重要なのは、集中構造転換というときに、いかにスピードを上げて、農地の集約、大区画化、こういったことを進めていくか。そして我々、すでに自民党、公明党からいただいている提言の中にもありますが、産業団地みたいな形で、農業団地のようなものを作っていくといったときに、普通使う側の方のニーズを捉えないで制度設計するということはあり得ません。やはりどういう環境を整えたら参入しやすいのかということを聞くのは当然のことですから。今日経団連の皆さんにもそういったことについても、率直なお話を聞きたいと思います。また農業機械などについても、こんな高かったら、農業機械を更新するときに、もう農業やめようという方が多い中で、いかにこの農業機械をより安く農家の皆さんが活用できる環境が実現できるのか、これは経団連の参加企業の中に農機メーカーもいますから、こういった皆さんのご協力も仰ぎたいと。そして輸出についても、より民間の皆さんで知恵やアイデア、持っている方もいますから、そういったこともお話をお伺いをしたいなと。幅広い議論をさせていただければと思います。

 記者 昨日公表の廃止を表明した作況の件ですけども、先ほど収穫量全体が多いか少ないかを示すものではない、というお話がありましたけれども、これは一定程度マクロ的な需給ですとか、それを見通すための指標であったと思うんですけれども、収穫量全体が多いか少ないかを示すものではないといった場合、結局作況指数というのは何だったのかという話にもなると思うのですが、大臣はこれまで議論をしてきて、その点はどう総括されていますか。

 大臣 作況指数は何だったのかというと、もう一回申し上げると、作況指数はその年の10a当たりの収量が過去30年間のトレンドから算出した平年収量と比べて、多いか少ないかを示したもの。これが作況指数なんですよね。だから過去、去年と比べてどうだったのかは収穫量調査。そして、その年の10a当たりの収量が、過去30年間のトレンドから算出した平年単収、収量と比べて多いか少ないかということなので、全然違うんですよ。なので、これがむしろ両方ある中で生まれてきてしまったことが、生産現場に行くと、これが実感と違うと。この30年間のトレンドとの比較では、到底今の実態と合わないという現状に加え、まさにこの日農さんの3面で書いてあるように、流通の中でも業者が需給が見通しづらいというぐらい、生産量、この収穫量だというような認識を持たれている方も出てきてしまった。こういったことの今の現状を真正面から受け止めて正さなければ、むしろこのずれを放置することに繋がりかねない、そんな思いからの作況指数の廃止。一方で、収穫量調査は、継続、そして改善をしていきますと、そういったふうに我々としては判断をさせていただいたことということです。


食糧法(抄)

第47条 米穀の出荷又は販売の事業(その事業の規模が農林水産省令で定める規模未満であるものを除く。第五十九条において同じ。)を行おうとする者は、農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、次に掲げる事項を農林水産大臣に届け出なければならない。
一 商号、名称又は氏名及び住所
二 法人である場合においては、その代表者の氏名
三 主たる事務所の所在地
四 その他農林水産省令で定める事項

第51条 農林水産大臣は、主要食糧の需給及び価格の安定を図るため、農林水産省令で定めるところにより、主要食糧の生産、流通及び消費の状況に関する調査を行うことができる。

第52条 農林水産大臣は、この法律の施行に必要な限度において、機構若しくはセンターその他業として主要食糧の出荷、販売、輸入、加工若しくは製造を行う者に対し、その業務若しくは資産の状況に関し報告をさせ、又はその職員に、これらの者の事務所、営業所、販売所、事業所、倉庫若しくは工場に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

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