農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)は6月24日、「水稲移植栽培における除草剤体系処理によるナガエツルノゲイトウ防除技術標準作業手順書」を公開した。千葉県農林総合研究センター、神奈川県農業技術センターと共同開発した「効果的な防除技術」(既報)を具体的な手順書にまとめたもの。それによると、「水稲の移植栽培期間中と収穫後の2時期に防除することが効果的」としている。具体的には以下の通り。
・移植栽培期間中……有効な除草剤2剤を散布する「体系処理」
・収穫後は……「非選択性除草剤の散布と耕起の組み合わせ」で防除する

ナガエツルノゲイトウ(長柄蔓野鶏頭)は、繁殖力・拡散力が高く、生態系や農業に悪影響を及ぼす恐れがあることから、平成17年(2005)外来生物法の施行と同時に「特定外来生物」に指定された。水草で河川や池で大群落となり、水面をマット状に覆う。茎は千切れやすく、節や根から活発に再生。水陸両生なので、畔や畑地にも侵入。耐塩性も高い。関東以西の河川、水路、水田、畦畔などに侵入が相次いでいる。被害例としては、水路を閉塞するため取水・排水の障害になるほか、除草剤が効きにくいため繁茂すれば収穫不能に陥ることも。これまで水田における有効な防除技術は、開発されていなかった。
