農研機構(農業・食品産業技術総合研究機構)はこのほど、貯穀害虫に対する新たな殺虫技術を開発したと発表した(6月11日付)。窒素ガス置換によって低酸素状態を維持することで殺虫するもので、オゾン層を破壊しない「地球環境に優しい」技術。臭化メチルや燐化アルミニウム剤などの薬剤を用いる化学燻蒸との代替が期待できる。
あえて低酸素耐性の高いコクゾウムシとタバコシバンムシを用いて実験。酸素濃度0.1%、温度30℃条件を4日間維持することで、高い死亡率を得ることが出来ている。100%の死亡率を得るための殺虫期間は、対象穀物の嵩密度によって異なる。玄米を例にとると、1m3あたり50㎏の薄荷状態で5日、800㎏の密荷状態で8日かかるものの、化学燻蒸でも3~7日かかるため、「大差なく処理できる」としている。


