財務省が6月27日に公表した輸入通関実績によると、外国産米輸入量の急増が5月も一段と続き、数量ベースで1万t台に達していたことが分かった。日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、5月の外国産米(枠外)輸入量は、1万0,609t、13億6,120万円に及んだ。いよいよ全体需給に影響しかねないボリュームに至ってきた。前月比だと数量+55.1%、金額+53.1%の1.5倍超で、前年同月比だと数量+9125.2%、金額+6707.0%、60~90倍超にあたる。
精米の枠外輸入量(5月)
\ | 数量 | 金額 |
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韓国 | 123t | 2,675万7千円 |
中国 | 304t | 3,807万4千円 |
台湾 | 909t | 1億5,444万2千円 |
ベトナム | 500t | 6,087万円 |
タイ | 578t | 6,324万1千円 |
ミャンマー | 24t | 265万5千円 |
インド | 117t | 1,855万7千円 |
パキスタン | 96t | 1,912万9千円 |
スリランカ | 38t | 236万9千円 |
スペイン | 2t | 91万1千円 |
イタリア | 0t | 97万3千円 |
アメリカ | 7,894t | 9億7,060万5千円 |
オースト ラリア | 20t | 220万6千円 |
合計 | 1万0,605t | 13億6,078万9千円 |
玄米のみインドから2t、40万7千円を輸入。
単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏469円で仕入れることが出来る水準だ。また一口に外国産米といっても、例えばアメリカ、オーストラリア、中国の一部では、コシヒカリ、あきたこまちが作付けられている。もちろん原産国表示は義務づけられているから、外国産米であっても値段さえ安ければ気にしないニーズが高まるようなら、今後、全体需給に影響してくる可能性は十分あり得る。
