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施策・政策需給

主食用輸入米の第2回入札3万tほぼ全量落札、残4万t

 農林水産省は7月16日、主食用輸入米の第2回入札(WTO-SBS入札)を実施、3万tの提示ほぼ全量が落札された。落札2万9,996tのうち、49.3%にあたる1万4,800までがアメリカ産うるち精米中粒種(『カルローズ』が主体とみられる)となった。

 SBSは、輸入してくる商社が売り渡す価格と、卸売業者が買い受ける価格を、ペアを組んで同時に応札する仕組み。国の側から言うと、商社から買い入れる価格と、卸に売り渡す価格、と表現できる。この買入価格と売渡価格との差益(マークアップ)が国の収入になり、このマークアップが大きい順に落札される。ただし非公表の予定価格が設定されており、買入価格の下限と売渡価格の上限の幅に、売り・買いともおさまっていることが前提だ。またマークアップにも㎏292円の上限がある。
 今回の落札結果では、例えば一番人気のアメリカ産うるち精米中粒種は、買入価格(商社売り)が㎏144.3円(前回比+2.5円)、売渡価格(卸購入)が㎏415.8円(+44.0円)で、マークアップは271.5円(+41.5円)。全般に上がったものの、マークアップが上限の㎏292円に張り付いたわけではない。また㎏415.8円で仕入れた卸は、まだギリギリ5㎏2,000円台の商品を納品できる勘定だ。

 WTO(世界貿易機関)協定によって日本に課されている無税の義務輸入枠、MA(ミニマム・アクセス)米は年間76万7千t。これらの大半は加工用や飼料用、あるいは援助用など、国内で消費する主食用としては仕向けられない。唯一主食用として輸入できる枠は年10万tだけで、SBS(売買同時入札方式)で輸入する。この年10万tを4回のSBS入札でこなす原則のため、1回あたりの提示数量(予定数量)は2万5,000tが通例だが、小泉進次郎農相の意向により、ここまで2回のSBS入札ですでに約6万t弱が落札され、残りは約4万tとなっている。

令和7年度(2025)第2回WTO-SBS入札結果(7/16)
申込
数量
(t)
落札
数量
(t)
加重平均価格(裸)
買入
(円/㎏)
売渡
(円/㎏)
マークアップ
(円/㎏)



アメリカうるち玄米中粒種540
アメリカうるち精米中粒種43,48614,800144.3415.8271.5
アメリカも ち精米短粒種1,720880192.1469.0276.9
インドうるち精米長粒種2,851100243.0503.0260.0
インドうるち精米中粒種760
オーストラリアうるち玄米短粒種440440141.7412.7271.0
オーストラリアうるち精米長粒種1000
オーストラリアうるち精米中粒種9,6809,020137.2422.9285.6
タイうるち精米長粒種3,8311,096188.5461.1272.6
タイも ち精米長粒種1300
パキスタンうるち玄米短粒種7490
ベトナムうるち玄米短粒種3000
ベトナムうるち精米短粒種756240154.9415.0260.1
台湾うるち精米短粒種3,156240191.5455.0263.5
中国うるち玄米短粒種420180140.0393.1253.1
一般米枠 計67,74926,996146.1422.2276.1



アメリカうるち砕 精 米4,60860091.4170.879.4
アメリカも ち砕 精 米400100230.0310.080.0
オーストラリアうるち砕 精 米50022280.0155.075.0
カンボジアうるち砕 精 米170170190.6269.278.6
タイうるち砕 精 米2,0001,80076.3157.581.2
タイも ち砕 精 米408108150.5230.580.0
砕精米 計8,0863,00093.8174.080.2
合計75,83529,996
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