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イネ新品種「コシヒカリ環HD1号」など種苗法登録

 農林水産省は8月26日付官報に、種苗法に基づく登録新品種を掲載した(登録日も8月26日)。イネでは以下の10品種。このうち「A2 fusion 1」と「丹亀の尾」を除く8品種は、輸出先国の制限対象品種としても公示されている。

A2 fusion 1

 北海道大学が、アフリカ稲(Oryza glaberrima Steud.)「WK21」と稲(Oryza sativa L.)「キタアケ」の交配種を葯培養したハイブリッド品種。高温耐性品種の開発に向けて、アフリカ稲に稔性を持たせた。

コシヒカリ環HD1号

 関東IL22号。農研機構の次世代作物開発研究センターが、「lcd-kmt2」(コシヒカリ環1号)と「コシヒカリ関東HD1号」を交配した極早生の主食うるち。「環」はカドミウム吸収性が低いシリーズで、「HD」は出穂日(HEADING DATE)を早めたシリーズのこと。

きぬむすめ環1号

 西海IL7号。農研機構の九州沖縄農業研究センターが、「きぬむすめ」と「コシヒカリ環1号」の交配種に「きぬむすめ」を2回戻し交配した種に、さらに「きぬむすめ」を3回戻し交配した早生の主食うるち。「きぬむすめ」にカドミウム低吸収性を持たせた。

ふくまるSL

 ひたちIL3号。茨城県農業総合センター生物工学研究所が、「一番星」に「ふくまる」を3回戻し交配した早生の主食うるち。「ふくまる」に縞葉枯病抵抗性を持たせた。「SL」は縞葉枯病抵抗性系統(Stripe virus disease resistant isogenic Lines)の意味。

キヌヒカリ環1号

 北陸IL7号。農研機構の中央農業研究センター北陸研究拠点が、「lcd-kmt2」(コシヒカリ環1号)に「キヌヒカリ」を5回戻し交配した中生の主食うるち。「キヌヒカリ」にカドミウム低吸収性を持たせた。

ゆたかまる

 青系201号。青森県産業技術センター農林総合研究所が、「青系飼161号」(うしゆたか)と「青系IL1号」の交配種と「ふ系222号」(ほっかりん)を交配した早生の飼料用米専用品種。多収で倒伏しにくく、いもち病抵抗性や耐冷性が強い。玄米に乳白、腹白の発現が多いため、外観を一般米と区別しやすい。

広系酒44号

 広島県立総合技術研究所農業技術センターと農研機構が、「峰光」と「広酒7号」(こいおまち)の交配種と「蔵の華」との交配種と、「八反錦1号」を交配した早生の酒米(酒造好適米)。酒米では珍しく早生で高温登熟性に優れているため、新酒の醸造を早期に始めることが出来る。

媛育83号

 愛媛県農林水産研究所農業研究部が、「中国188号」に「媛育71号」を5回戻し交配した中生の主食うるち。いわゆる低蛋白質米だが、コシヒカリ並みの良食味。糖尿病患者や腎臓病患者など蛋白質摂取制限が必要な人に向く。

みえのゆめBSL

 三重38号。三重県農業研究所と農研機構が、「R307-48-9」に「みえのえみ」を2回戻し交配した種に「みえのえみ」を2回戻し交配、これと「みえのえみ」を交配した中生の主食うるち。「みえのゆめ」にごま葉枯病抵抗性(BSL=Brown Spot resistance Line)を持たせた。

丹亀の尾

 たんかめのお。京都府京丹後市の篤農家・梅田和男氏が発見した酒造好適品種「亀の尾」の突然変異種。「亀の尾」が白い稲穂なのに対し、「丹亀の尾」は赤い稲穂が特徴的。清酒「丹亀」(にき)として竹野酒造㈲(京都府京丹後市)が商品化している。

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