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施策・政策

米の作況指数代替に「単収の5中3平均との比較」採用へ

 農林水産省は9月10日、米の作況指数に代わる新たな豊凶指標として、「単収の5中3平均との比較」を採用することを決めた。総務省の統計委員会・産業統計部会に報告したもの。作況指数の公表廃止を決めて報告したところ、同部会から「中長期的な収量の動向のなかで当年産の収量の位置づけを示す(作況指数に代わる)指標が必要ではないか」との指摘を受けていた。
 作況指数は、平年単収(10aあたり収量)を「100」とした場合の当年産米の実単収の割合のこと。平年単収の算定にあたって「収穫量調査に基づいて過去30年間のトレンドを指数として出していることが、今の気候変動や現場実態と合わなくなっている」(小泉進次郎農相)ため、廃止を決めた。また単収を弾き出す際に採用する篩目幅も、現行の1.7㎜から都道府県ごとに異なる「農家等が使用する篩目幅」(1.8~2.0㎜)に変更した上で、公表は作付面積、単収、収穫量(それぞれ前年比のみ付随)にとどめることにしている。
 新指標は、前年産までの単収(10aあたり収量)の5中3平均(過去5年のうち最高と最低を除く3年平均)で、単収に用いている篩目幅は一律1.7㎜ではなく、各都道府県ごと「農家等が使用する篩目幅」を採用する。試みにこれを令和6年産米に当てはめると、下表の通りとなる。北海道から関東にかけて軒並み下方修正することとなるものの、これで「実感作況」との差異が解消されるかどうかは依然不明だ。
 なお農林水産省は、新指標の名称を「検討中」だ。作況指数が生産量の増減を表すものと誤解されがちだったため、「収穫量全体の対比ではないことが分かる名称に変更することが適当」としている。

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