農林水産省は10月10日付官報に、種苗法に基づく登録新品種を掲載した(登録日も10月10日)。イネでは以下の1品種で、輸出先国の制限対象品種としても公示されている。
あきたこまちR
秋田124号。秋田県農業試験場が「あきたこまち」と「lcd-kmt2(コシヒカリ環1号)」の交配種に「あきたこまち」を7回戻し交配した早生の主食うるち品種。出穂期、成熟期、収量、玄米品質、食味など全て「あきたこまち」と全く同じと言われており、カドミウム吸収性が極めて低い特性を持つ。
「あきたこまち」は昭和59年産デビューの有名銘柄で、25年連続で作付割合4位の座を維持する全国銘柄ながら、その大半が秋田で作付けられている。秋田県はこれを輸出向け旗艦品種としたい思惑から、米のカドミウム基準値が厳しい海外に合わせるため開発したのが、新品種「あきたこまちR」だ。秋田県では令和6年産から「あきたこまちR」を奨励品種に採用、代わって令和7年産から従来の「あきたこまち」を奨励品種から除外している。したがって令和7年産あきたこまちは、その大半が「R」に置き換わっているものとみられる。
ただし、交配元である「コシヒカリ環1号」が放射線育種(重イオンビーム照射による人為的な突然変異種)であることから、「あきたこまちR」には「米に放射線が残っている」「自ら放射線を出す」といった誤解が生じ、ネット上などで誹謗中傷が飛び交っている。このため従来あきたこまちの種籾を未だ作付けている県内農家も少なくないとみられる。
