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需給

令和7年産米の検査数量はやくも200万t超、1等比率はワースト3

 農林水産省は10月31日、令和7年産米の9月末現在農産物検査結果を発表した。それによると水稲うるち玄米の検査数量は前年同期比+20万6,463t(+11.4%)の202万5,337t。生産量が増えているのだから検査数量が増えるのは当然ではあるが、この時期に200万tを超すのは稀な出来事。実際、受検率(生産量に占める検査数量の割合)も、わずかながら上昇している。
 また1等比率は77.0%だった。前年同期(77.5%)には及ばなかったものの、過去10年で下から3番目の水準。農産物検査の受検は任意のため、これだけで判断はつかないものの、「悪くない出来」と言えそうだ。

 農産物検査は、主に整粒歩合を確認するもので、必ずしも品質を確認するものではなく、安全性に関する項目も含まれていない。したがって「1等」とは良品質を指すのではなく、主に整粒歩合の高さ、それも「70%以上」を示すものに過ぎない。実際は選別によって「整粒歩合ほぼ100%」の米が流通するため、農産物検査によって2等以下に「格付」された米も、最終製品としては区別されない。ただし歩留まりは低下する。だが最終的に毎年7割弱という高い受検率を誇っているのは、受検によって産地・品種銘柄名の表示を担保できるためだ。

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