農林水産省は3月23日、食料・農業・農村政策審議会の食糧部会に、需給見通し見直しを含む基本指針(米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針)の変更を諮問した。食糧部会は諮問案通り答申したものの、委員からは空前の規模となる最大271万tの来年6月末民間在庫の見通しを心配する声が相次いだ。
例えばそれは、こんな声だ。
山田貴夫委員 適正在庫水準とは何か。そもそも数量なのか%なのか。分からないまま増加している。これがどう市場に影響するか検証が必要だ。(日清製粉㈱社長)
澁谷梨絵委員 需要は、もっと落ちているのではないか。適正在庫量が全く見通せない。(㈱シブヤ《米穀小売》代表)
山﨑元裕李委員 最大271tの在庫は、明らかに供給過剰感。需要量はもっと少ない感覚だ。それもこれも(令和)7年産米の高値が原因。これにより外国産米への切替がますます進んでしまう。(政府備蓄米の)買戻しは、必ず米価に影響する。相対(価格)に影響しないよう、慎重に願いたいのと、情報開示が偏ることがないよう、お願いしたい。特に我々流通業界との連携を密にし、産地への説明も充実させて欲しい。(全米販理事長)
稲垣光隆委員 在庫増の原因の一端は、作付(面積)の増え過ぎにある。価格はマーケットに任せるべきだが、それにしてもこれはしんどい数字。(《一財》大蔵財務協会理事長)
小倉久仁彦委員 今の価格下落が損切りの結果なのだとしたら、決して持続的ではない。(㈱武蔵野ホールディングス執行役員原料統括部長)
ところが翌日の会見で鈴木憲和農相は、「まずは需要を上回る十分な供給が確保されていると考えている」、「引き続き、きめ細かな情報提供等を行うことなどにより、産地・生産者が作付判断できる環境を整備し、国民への米の安定供給に努めていきたい」と、相変わらずの様子見姿勢を変えていない。

