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事故

秋田県で令和6年産カドミ基準値超過米、9t弱を回収中

 秋田県は4月4日、カドミウムの残留基準値超過米が流通したと発表した。いち早く対応した㈱ミツハシ(既報)をはじめ、納品先の各社が同日中に自主回収を発表している。
 秋田県の発表によると、発生源は(農)熊谷農進(秋田県小坂町)が生産した令和6年産米。食品衛生法に定められているカドミウムの残留基準値は「0.4ppm以下」で、これを上回る0.47~0.87ppmのカドミウムが検出されている。
 生産量は8万8,252㎏で、うち97.4%にあたる8万5,972㎏を出荷している。一次納品先は、㈱大潟村あきたこまち生産者協会(1万3,260㎏、在庫4,080㎏)、㈱ミツハシ(神奈川県横浜市、3万3,660㎏、在庫1万6,320㎏)、住友商事東北㈱(宮城県仙台市、1万2,240㎏、在庫なし)、儀右衛門商店(秋田県秋田市、1万3,260㎏、在庫なし)の4社で、いずれも自主回収を進めている。
 今年3月13日、東北農政局から秋田県になされた「㈱大潟村あきたこまち生産者協会に出荷された米の一部が基準値を超過した」との情報提供が発端。翌3月14日に判明した出荷元(熊谷農進)に対して秋田県が3月19日、熊谷農進に立入調査を実施し、出荷停止を要請。熊谷農進に対する農林水産省と秋田県の合同調査(3月27日)を経て、3月28日に関係自治体へ流通調査を依頼。同時に秋田県農業試験場に出荷先のサンプル調査を依頼し、結果が判明したのが4月2日だった。
 カドミウムは土壌中などに天然に存在する重金属で、農畜水産物(食品)を経由して体内に吸収した場合、即時的な毒性はないものの、蓄積度合によっては腎機能障害を引き起こす可能性がある。日本では米から摂取する割合が最も多いため、食品衛生法で残留基準値が設けられている。特に秋田県では主力品種「あきたこまち」から、カドミウム吸収性が極めて低い「あきたこまちR」への切替を進めており、今回の一件は全面切替を予定している令和7年産の前年の出来事だった。

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