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試験研究

「6期作」可能な稲の「室内水耕栽培」新技術

 農業ベンチャーの㈱あゆち(兵庫県宍粟市)は6月18日、特定の品種によって最大「6期作」が可能な稲の「室内水耕栽培」技術の開発に成功したと発表した。
 発表によると、この技術の主役は種苗法登録出願中の新品種「みずのゆめ」。草丈15~20㎝にしかならない超短稈・超矮性の主食うるちで、慣行の5分の1にあたる栽培期間2か月という極早生の作期が最大の特徴。普通の稲が年1作、多くても2期作なのに対し、年「6期作」が可能としている発表は、この点が根拠になっている。
 加えて超矮性の品種特性を活かし、野菜の植物工場のような、狭い室内での水耕栽培技術を開発。独自設計の栽培槽・LED照明・液肥配合を組み合せ、農薬を一切つかわず「安定した育成と収穫を実現した」としている。
 「6期作」が可能なら確かに規格外の高単収を実現できる。だが発表では、新品種の交配組合せも平年単収も明らかにしていない。また水田という生産装置が不要であれば、その管理コストが不要になるものの、栽培槽やLED照明の建設・維持という別なコストが必要になってくる。この点も発表では明らかにしていない。ただ「今後の完全な商品化にはさらなる検証が必要」な点は認めており、この技術に関心のある企業や試験研究機関、自治体との連携を「積極的に検討している」としている。

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