世間を騒がす米価高騰は、生産者の手取り増に直結していない――ものの、流通価格に吊られるようなジリ上がりが続いている。農林水産省が3月28日に公表した「農業物価統計(令和2年基準)」の「農産物生産者価格調査」によるもの。それによると、うるち玄米の2月現在生産者価格は前月比+0.4%の60kg全国平均19,840円だった。同じタイミングの農協などが卸売業者に売り渡す相対取引価格は、前月比+2.2%の60kg全銘柄加重平均26,485円。相対価格が生産者価格を上回るのは当然としても、その差は昨年8月まで2,000~3,000円台だった。これが、昨年9月から(つまり令和6年産米が出回り始めてから)5,000~6,000円台に跳ね上がっており、2月は最高値6,645円をつけた。生産者価格のジリ上げ幅は狭まっており、対して相対価格は〝順調に〟上昇している。
生産者価格は、農業経営体が生産した農産物の税込販売価格から出荷・販売に要した税込経費を差し引いたもので、「生産者の出荷価格」と言える。調査都道府県別月平均価格(単純平均)に令和元年・令和2年(2020)の該当月の都道府県別出荷量をウエイトとした加重平均により算出している。調査対象は農産物出荷団体など(農協、出荷組合、集出荷業者またはその団体)。
