農林水産省は4月14日、スーパーなどでの米の販売数量を、3月31日(月)~4月6日(日)の1週間で、前年同週比+0.9%と発表した。ほんのわずかではあるが、前年同期比プラスに浮上したのは2/24~3/2週以来5週間ぶり。ただし3/31~4/6の販売価格は5㎏4,214円で、前週比+0.2%、前年同期比+103.8%。相変わらず上昇が止まらないように見えるが、前週比の上げ幅はこの統計を発表し始めて以来最少の+8円。〝下落前夜〟といったところか。
いわゆる「令和の米騒動」を契機に、農水省が量販店などのPOSデータ(Point of Sales=販売時点情報)に基づき算出、毎週公表しているもの。まさしく「米騒動」の頃(昨年8月中下旬)こそ前年を大きく上回っていたが、新米の出回り本格化とともに急落。以降は細かな〝乱高下〟を繰り返しながら、一度も〝水面下〟(前年比マイナス)から浮上していなかった。プラスとなったのは、5か月ぶりの1/20~1/26週と、5週ぶりの2/24~3/2週、さらに5週ぶりの今回の3回だけ。
農水省が算出基礎としているPOSデータは㈱KSP-SPが提供しているもので、対象は比較的地方の中堅スーパーが主体。イオンやIYといった大手量販店チェーンはPOSデータを自前で吸収し、公表しない。そのため農水省の公表は、「総体の傾向を掴む」程度に捉えるのが賢明か。

