農研機構(国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構)は5月20日、イネに必須元素を吸収させる特定の分子が、同時に有害元素をも吸収させているメカニズムを発見したと発表した。発見は世界初。応用すれば、有害元素を吸収しにくい作物の開発に役立つ。
着目した特定の分子は、イネに必須元素の一つであるカリウムを吸収させる「カリウム輸送体」の「OsHAK1」。今回の発見では、この「OsHAK1」が、有害元素であるタリウムの輸送体でもあることを確認した。
イネは、必須栄養元素であるカリウムが不足すると、根から効率よくカリウムを取り込むための仕組みを強める。その中心となるのが、カリウム輸送体の一つ「OsHAK1」。カリウムが少ない条件下ほど「OsHAK1」の遺伝子発現が高まる。つまり働きが強くなる。
研究では、「OsHAK1」の働きが失われたコシヒカリの変異株を用いて解析。通常のコシヒカリ株と比較したところ、カリウムと同程度の濃度でタリウムも吸収していることが判明した。ただ「OsHAK1」が正常に機能する通常のコシヒカリ株の場合、イネ体内のカリウム濃度が上昇すると、タリウム濃度が低下するという相関関係も明らかになっており、カリウムを施用することでタリウムの吸収を抑えられる可能性があることも分かっている。




