政府による外国産米の調達価格が、60㎏あたり5,000円台まで下がってきたことが明らかになった。農林水産省の1月31日発表によるもの。
我が国は米に高い関税をかけている代わり、国際協定で年間76万7千tの輸入義務が課せられている。実際の調達から輸送を担う商社を、農水省は入札で選定する。この入札結果の発表から、外国産米の調達価格を算出できる。それによると昨年12月契約分の1tあたり調達価格(加重平均)は、アメリカ産うるち精米中粒種13万5,461円(前年同期比▲15.9%)、タイ産うるち精米長粒種8万6,453円(前年同期比▲13.6%)。
60㎏に単純換算すると、アメリカ産8,128円、タイ産5,187円。国産の実に5分の1の水準となる。ただし輸入した外国産米は、一部を除いて主食用としては国内に出回らない取り決めになっている。国内の販売先は、加工原材料用や飼料用に限られる。
この調達価格のうちアメリカ産米は、旱魃を背景に令和3年(2021)初頭から急騰していた。ピークは令和4年(2022)10月で、1tあたり26万8,447円(60㎏16,107円)をつけていたものの、一昨年に入ってから急落。令和6年(2024)3月の1tあたり12万4,679円(60㎏7,481円)を底値に、以降はジリ上げ下げを繰り返していた。それでも急騰が始まる前、令和2年(2020)以前のtあたり10万円を下回る水準(60㎏6,000円前後)にはほど遠く、高位安定化してしまった印象がある。
一方、タイ産米はジリ上げの後、一昨年9月まで比較的急騰していたが、その後は小幅の上げ下げを繰り返していた。今年度に入ってからは、小幅とはいえ下げが連続している。