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施策・政策

鈴木農相「強い非主食用米ニーズに応える必要」

 鈴木憲和農相は5月26日の閣議後定例会見で、令和8年産米の4月末現在作付意向をめぐって、非主食用米の強いニーズに応えるよう引き続き促していく姿勢を示した。
 農相が公式に令和8年産主食用米の供給量が「過剰である」と指摘したことはない。「需要は十分に満たしている」といった表現で、巧妙にかわしてきたきらいがある。裏を返せば加工用米や飼料用米、米粉用米といった非主食用米の供給量が、需要(ニーズ)に応えきれていないことに繋がるのだが、こちらは明確に「不足している」と表現する。
 こうなった原因は、明らかに主食用米の価格が上昇しているためで、そこは農相も認めているのだが、だからといって非主食用米の助成水準を引き上げる行動には出ようとしない。ただ「生産者の作付判断に必要な情報提供に努める」との発言を繰り返すだけだ。
 作付意向が実現する、生産者の営農計画提出期限である6月末まで、あと1か月強。少なくとも流通段階が「令和8年産(主食用)米の需給は過剰になる」⇒「価格が下がらざるを得ない」と判断する材料だけは、山積していると言える。

一問一答(5月26日、閣議後定例会見から抜粋)

 大臣 本日、私から3点、御報告がございます。1点目は、中東情勢に関してであります。昨日の閣僚会議でも報告をさせていただきましたとおり、食品事業者の皆様が、より安心して企業活動を継続できるよう、食品製造、流通・小売、そして外食など、食品産業全体に関わる各業界の皆様との継続的な情報共有体制を構築するため、これら関係団体と農林水産省、経済産業省からなります、食品容器包装等情報交換会を設置することといたしました。第1回目は、5月27日に開催を予定をしております。情報交換会では、両省から、ナフサ由来の化学製品の需給見通しなどをお伝えをするとともに、各業界団体の皆様から、食品容器包装などの調達状況などの情報を共有いただくなど、実務者レベルでの連携体制を強化をしてまいります。(略)

 記者 米について2点お伺いいたします。今週水曜日に、令和8年産の水田作付意向調査の結果が発表されました。それによりますと、主食用米の生産量は733万tと需要見通しを上回り、民間在庫も積み上がっている中で、需給状況は更に緩和する見通しとなっております。まず、こちらの調査結果の受け止めと、米の価格への影響、これをどう見ているか教えてください。

 大臣 一昨日に公表いたしました作付意向によれば、主食用米の作付面積が、1月末時点の調査結果から0.2万ha増加をし、136.3万haとなりました。これは需給見通しでお示しをした711万tを大幅に上回る、733万tの生産量に相当することとなります。他方で、多様な米の需要を満たしていくことが重要である中で、加工用米や米粉用米などについては、需要を十分に満たしているという状況だとは言えず、引き続き、それらについて増産が求められている状況です。
 農林水産省といたしましては、生産者の皆様が作成をいたします営農計画書の提出期限である6月末に向けまして、引き続ききめ細かな情報提供などを行うなど、産地・生産者の皆様が作付判断をできる環境を整備をし、需要に応じた生産を推進をしてまいります。
 また、米の価格については、いつも申し上げておりますが、需給バランスなど、民間の取引環境の中で決まっていくものであるため、今後の価格の見通しについて、予断をもってお答えすることは困難でありますが、現状で、米取引関係者を対象とした調査では、価格水準については、今後、価格が低下していくとの見方が引き続き強い状態となっております。一般的に申し上げれば、需要を大幅に上回る在庫量ということになれば、それは当然、価格もそれに従って、ということになろうかというふうに考えております。

 記者 2点目です。備蓄米の買戻しについてお伺いします。大臣、かねてより需給状況などを見定めた上で、買戻しを実施するとおっしゃっていましたが、今回の調査結果、需給状況、緩和する見通しとなっております。この調査結果が、買戻しのタイミングついてどのように影響を与えるか、どう考えているか、お答えください。

 大臣 昨年3月以降、主食米として売渡しをさせていただいた、備蓄米の買戻しについて、米をめぐる様々な状況を総合的に見定めることが重要であるというふうに考えております。具体的なタイミングにつきましては、これまでも申し上げているとおり、まず、現在、行っています令和8年産政府備蓄米の買入入札の状況、これ現時点で、21万t買入予定に対しまして、第2回目まで入札を終えておりますが、17万tが落札をしております。そして同時に、主食用米の販売動向や民間在庫の状況、また、お米のお菓子、米菓や米粉、そして日本酒メーカーなどの非主食用米を取り扱う事業者の原料米ニーズの状況、また、米取引関係者の需給動向などの判断に関する調査結果、このような状況やニーズを踏まえた各産地の作付意向などのデータを見ながら、米の基本指針に沿って、今後の需給状況や販売動向等を見定めた上で、適切に判断してまいりたいと考えています。

 記者 作付意向についてお伺いできればと思いますが、足元で2025年産(令和7年産)の荷動きが鈍い一方で、引き続き、主食用米の作付けに高い意向が続いているということですが、この要因について、大臣としてはどのようにお考えになっていらっしゃるかということと、先ほどのきめ細かな情報提供というお話もありましたが、これまで、大臣は自ら大規模生産者との意見交換などをされてきていると思いますが、作付けの転換に向けて、どのように取り組まれたいかについて、お願いいたします。

 大臣 最初の御質問ですけれども、主食用米の作付意向が依然として強いということについては、現在流通している(令和)7年産の相対取引価格などを判断材料に、(令和)8年産の主食用米の作付けが選択されているのではないかと考えられるほか、あとは加工用米などの多様な米の需要について、生産者段階まで十分に情報が伝わっていないということも要因というふうに考えております。これまでも、この会見の場でも、パネルを使って説明させていただいておりますけれども、加工用米、そして飼料用米、これは実需者の皆さんからかなり強いニーズがあり、引き続き、増産が求められているという状況です。一方で、4月末時点での作付意向調査の結果を見る限り、加工用米・飼料用米について、需要を十分に満たしている、そういう作付けになるということは言えない状況であります。
 これまでも、私自ら、生産者団体や大規模生産者の皆様に、国産米の多様なニーズに応えた生産を行っていただきたいという考え方をお伝えをしておりますし、それについて皆様との意見交換では、その通りだというようなお話もいただいているところであります。もちろんすぐに、作付意向に反映ができるわけではありません。当然、タイムラグがあるというふうに思っておりますので、今後も、引き続き様々な機会を捉えまして、産地・生産者の皆様の作付判断に必要な情報、そしてこれは、需要側と産地側が結び付いて、一緒になって考えるということが大事かというふうに思いますので、そうしたことに向けて、きめ細かに対応させていただきたいというふうに思います。

 記者 もう1点お伺いしたかったんですけれども、非主食用米の、特に飼料用米については、10万~20万tの不足が予想されるということで、特に深刻な状況になっているかと思いますが、こちらについては、要因についてどのようにお考えになっていらっしゃるかということと、また、どのように需要を満たすために働きかけていかれたいか、お願いいたします。

 大臣 一昨日に公表した作付意向では、飼料用米の作付面積が、1月末時点の調査結果から0.8万ha減少し、3.3万haとなっております。この要因として、主食用米の作付意向が強い中で、主食用米やその他の非主食用米と比較をして、収入面で見劣りをするのではないか、といった声があることは承知をしております。ただ、飼料用米の作付けは、経営全体で見ると、まず作期を分散することができる、そしてリスク分散などの効果もあるというふうに考えておりますし、特に国産米の利用にこだわり、差別化を図っている畜産農家の皆さんとの、安定的な契約関係の構築を進めるなど、引き続き、飼料用米を安定供給できる仕組みを検討してまいりたいというふうに考えます。

 記者 冒頭発言の関連で、中東情勢に関して伺います。ナフサの高騰や不足への懸念から、大手スーパーのイトーヨーカ堂は、刺身の容器の蓋をプラスチックからラップに変える、ファミリーマートは、商品包装でブランドロゴを白黒にするなど、食品包装の見直しの動きが広がっています。こうした動きへの受け止めと、冒頭、御発言があった、情報交換会のねらいだったり、どういったことを期待されているか、伺えますでしょうか。また、農水省として進める57項目の流通実態把握の調査について、進捗をお聞かせください。

 大臣 食品容器包装の見直しの動きにつきましては、包装の資材が値上げをされる中で、食料品の販売価格を抑制する観点から、それぞれの企業の経営判断により行われているものというふうに承知をしております。
 特に食品包装に必要な資材など、ナフサ由来の化学製品の供給については、全体としては、年を越えて継続できる見込みと承知をしておりますが、ただ、包装に必要な資材の調達に対する先行きの不安の声があるということもよく認識をしております。政府といたしましては、目詰まりの解消等に万全を期してまいりますが、もし、供給の偏りや目詰まりが生じている場合には、なるべく早く農林水産省の相談窓口に御相談いただければというふうに思っております。
 そして、その意味で、今度作ります情報交換会、これはまさに、我々の全体の、今の状況をお伝えをすると同時に、個々の事業者、もしくは個々の業界によって、先行きに対する、この資材がというような不安感、それぞれ違うと思いますし、また、現実にこういうものが、今まさに調達をしようと思っても調達ができない、ちょっと先の目途が立たないというお話もあろうかと思いますので、そうしたことについて、きめ細かに、今後、情報共有を図って、解決できることについては、至急対応させていただくということで開催をさせていただきます。
 また、この調査の話ですけれども、農林水産業・食品産業で使われる資材や食品容器包装については、農業用マルチフィルムなどの57項目について、原料供給、製造、流通、利用など、サプライチェーンの各段階の動向について、事業者からの聞き取りを行ってきております。調査の進捗につきましては、5月12日の会見において報告をいたしました、コメ袋や農業ハウス用ビニールなど、12項目に加えまして、新たに、農業分野においては、牧草などのサイレージ用のラップ、そして林業分野では苗木のコンテナ、また食品産業分野では植物油の容器などの18項目について、業界シェアで過半以上に相当する事業者などから聞き取りを行い、これらの30項目については、全体として、供給に問題はないことは確認をしております。
 農林水産省としては、引き続き、残りの項目についても調査を行い、農林水産業・食品産業関連資材のサプライチェーンの動向を具体的に把握し、問題の解決を図り、食料の安定供給につなげていきたいというふうに思います。このほか、これまでに約900件の個別相談を受けてきております。その中には、資材調達などの懸念や、実際に流通の目詰まりなどの問題が起きている個々のケースもありますので、寄せられた情報を基に、経済産業省と連携をして、個別にその解消に取り組んでいるところであります。

 記者 追加で伺わせてください。色々な動きがある背景として、なかなかいつまで確保できるか見通せないというところから出ている動きというのもあるかと思います。そういった中で、これまで御説明でも、当面の確保という中で、なかなか時期を具体的に明示していないところがあるかと思いますが、今後、素材・資材によって違うということは、よく承知しているんですが、具体的にナフサのように年を越えてであったりとか、具体的な時期を含めて示す考えはありますでしょうか。

 大臣 個々の資材に応じて、在庫の持ち方というのが、かなり変わってきています。ですので、何がいつまでにということは、今時点で、全て明確に申し上げること、難しいんですけれども、基本的にはナフサの供給含めて、年を越えて確保の目途が立っているわけですから、通常通りの生産が現場で行われるというふうに考えております。我々として、今、進めている調査を、どのようにして、皆さんに情報提供できるかということについては、正しい情報を伝えなければなりませんので、その情報提供の在り方も含めて、今後検討させていただきます。

 記者 先ほどの備蓄米の買戻しについて、もう少し教えていただきたいです。農水省は26年度予算に、備蓄米の買入入札に加えて、買戻しを想定しているであろう予算を盛り込んでいるかと思います。その事実を額面通り受け取れば、本年度内に買戻しをするのではというふうにも見られると思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

 大臣 農林水産省の令和8年度の当初予算に15万tの買戻しの予算を盛り込んでおりますが、この予算が検討されているのは去年の段階であります。その時に、当然、我々、政府備蓄というのは、いざという時の備蓄ですから、備蓄水準の回復というのは大切なことだというふうに考えておりますので、何らかの形で備蓄水準を回復していくということで、まずは仮定として、そのぐらいを置いてみたという状態であります。
 ですから、これから実際に、いくら、どのような形で、どのような時期に買戻しをするかということについては、全体の状況を見て、総合的に判断をさせていただきます。ですから、15万tという数字が、何か、さも予算がそれですから、それだけですよね、今年度内ですよね、というわけでは全くありません。

 記者 今年度内ということもまだ。

 大臣 我々としては、ずっと申し上げておりますが、なるべく国民の皆様に対する、いざという時の政府備蓄の役割が果たせる状況を、なるべく早く状況を戻すということが大事かというふうに思っておりますので。はい、以上でも以下でもありません。

 記者 中東情勢、ナフサ不足の長期化を受けて、高市政権として節約を国民に呼びかける一方で、政府としても消極、節約財政を進めるお考えはないんでしょうか。具体的には、優先順位の低い新規事業の凍結とか、公共事業の規模縮小、需要をなるべく政府として抑えるということをするお考えはないんでしょうか。

 大臣 今の御質問ですけれども、基本的に我々、石油製品のナフサも含めた供給は、年を越して目途が立っているという状況でありますので、基本的に今おっしゃっていただいたような考えというのはありません。

 記者 もし国民生活に重大な影響を及ぼした場合は、高市政権の見通しが甘かったということで、総辞職するお考えはあるんでしょうか。それぐらいの覚悟で、高市さんは節約を呼びかけていないというふうに理解してよろしいのでしょうか。

 大臣 それぞれの今の状況に応じて、当然、適切に判断すべき話だというふうに思っておりますし、今申し上げた通り、年を越して供給に目途が立っているという状況でありますから、その中では、当然、国民生活になるべく支障が起きないように、対応していくということだというふうに思います。

 記者 支障が起きた場合は高市さんはやめるという覚悟でやっているんですか。

 大臣 今申し上げた通りです。支障が起きないように対応させていただくということです。

(略)

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