【㈱帝国データバンク発】9月6日公表のレポートによると、今年1月から8月までの稲作農家(米作農業)の休廃業・倒産件数が、4年連続で過去最多を更新する勢いで急増していることが分かった。
それによると、今年1月から8月までに発生した稲作農家の「廃業」は28件。負債1,000万円以上の法的整理を伴う「倒産」も4件発生しており、計32件が生産現場から撤退している。1~8月累計としては3年連続で30件を超えており、「4年連続で過去最多を更新する可能性が高い」と指摘。
米価高騰により損益面では大きく改善したものの、しょせん単年度の好況にすぎず、「高齢化や各種コスト高に加え、先行き不透明感から事業継続を断念するケースが少なくないとみられる」としている。
法人経営を中心とした稲作農家のうち、令和7年度(2025)最終損益を増益計上したのは77.8%。過去20年で最大の増益割合となったほか、減益であっても黒字を維持した事業者を含めると、黒字割合は9割を超えた。少なくともコロナ禍で「赤字」割合が3割を超えた令和3~4粘土(2021~2022)度に比べれば、損益状況は大きく改善している。
だが、こうした収益改善は単年度の特徴であるにすぎず、「これまで薄利多売で利益が手元に残りにくかったことから、米づくりに欠かせないトラクターや田植機、コンバイン、乾燥機など、老朽化が進んでいる機械設備の更新を先送りにしてきたケースは少なくない」。また、「近年の異常な猛暑、豪雨、台風、さらにはカメムシの大量発生などにより、収穫量の減少や等級落ちも発生しやすく、事業計画通りに高品質な米を安定供給する難易度も高くなるなど、将来的に経営が安定するのかどうかは不透明な情勢もある」。加えて、「全国の稲作農家の代表者年齢は60代を超えており、米生産に向けたマンパワー不足もボトルネックとなっている。廃業となった稲作農家の代表者年齢も70代後半と高齢化が顕著ななかで、米価が高くとも『将来を見据えた積極投資』」に踏み切れず、高齢化等を理由に事業継続を断念する動きが水面下で進行している可能性がある」とも。
