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試験研究

農研機構らイネ「早起き遺伝子」発見、高温障害回避に光

 農研機構(国立研究開発法人 農業・ 食品産業技術総合研究機構)と国際農研(国際農林水産業研究センター)が主導する国際共同研究チームは6月11日、イネの開花時刻を制御する遺伝子「EMF3(Early Morning Flowering 3)」の発見を明らかにした。この遺伝子に特定の変異を加えたイネは、開花時刻が従来の午前10~12時から約2時間早まる。「気温の低い午前中の早い時間帯に開花することで、気温の高い通常の時間帯に開花するイネよりも稔実が著しく向上することを実証した」としている。「地球温暖化が進むなかでも不稔を軽減できるため、コメの安定生産に貢献できる」という。

 研究では、通常のイネと早朝に開花するイネとで、遺伝子の塩基配列を比較。その結果、第3染色体上にある一つの遺伝子が開花時刻に影響を及ぼすことを突き止め、これを「EMF3」と命名した。通常イネと早起きイネとで「EMF3」遺伝子の違いは、塩基配列のうち181番目の塩基がC(シトシン)からT(チミン)に置き換わっていること。これに伴い「EMF3」蛋白質のアミノ酸が、L(ロイシン)からF(フェニルアラニン)に変化していた。つまり2,172の塩基配列で構成される「EMF3」遺伝子のうち、たった1塩基の置換に伴う1アミノ酸の違いが、イネの早朝開花を促すことを確認できたことになる。

 イネは、もともと南方が原産のため、「日照りに不作なし」と言われるほど暑さに強い作物。ただ日本のジャポニカ種(短粒種)の場合、冷害に備えて品種改良を繰り返してきたこともあり、暑すぎると高温障害が発生する傾向にある。事実、近年の温暖化に伴う猛暑によって減収させる現象が、頻発している。
 イネが暑さに最も弱いのは開花期。通常開花する午前10~12時の時間帯が35℃以上の「著しい高温」下にあると、受粉不良によって稔実する(実がなる)米粒の数が減る。今回の研究成果によって、開花時期を涼しい時間帯に早めるメカニズムが判明したため、この「高温不稔」を回避することが出来る。

通常のイネ(左)では開花しない午前8時半に開花している早朝開花イネ(右)

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