㈱日経BP(東京都港区)の調査・研究・コンサルティング部門である日経BP総合研究所は9月11日、米食需要拡大に向けた「提言」をとりまとめ、公表した。
令和8年度(2026)農林水産省「米需要創造価値推進事業」の助成に基づき、米食に関する生活者意識調査、有識者検討会を実施。これらの結果を受けて提言をとりまとめたもの。調査結果は置いておいて、提言は以下の通り。
提言1 米の健康価値を再定義する
過度な糖質制限などを背景に広がった「お米=太る」というイメージを見直し、植物性タンパク質やご飯に含まれる水分、腸内環境への働きなど、米が持つ多面的な健康価値を科学的エビデンスに基づいて発信する。
◆ 過度な糖質制限などを背景に広がった「お米=太る」というイメージを見直す。
◆ お米は大豆食品との組み合わせでアミノ酸スコア100となること、また、近年の研究では米タンパク質の様々な機能性について新たな知見が示されていることから、良質なタンパク質摂取源としてのお米の価値を広く発信する。
◆ ご飯に含まれる水分や食物繊維、食事誘発性熱産生(DIT)など、多面的な健康価値を訴求する。
◆ コホート研究など最新の科学的知見を踏まえ、お米の健康価値について分かりやすく情報発信する。
提言2 「朝食の空白」を新たな需要創造の機会とする
朝食は米食需要拡大の有力な機会である。「しっかり食べる」ことだけを求めるのではなく、生活者が無理なく米を選べる環境を整え、朝食での米食機会を広げる。
◆ 朝食を米食需要創造の重点ターゲットと位置付ける。
◆ 「しっかり食べる」ではなく、「少量でも手軽に食べられる」米食を提案する。
◆ おにぎり、お茶漬け、朝粥、パックご飯の利用など簡便なメニューの普及を進める。
◆ 中食・外食や企業による朝食提供などと連携し、家庭内外で米を選びやすい環境を整備する。
提言3 「説得」から、世代・ライフスタイルに応じたコミュニケーションへ転換する
一律に「米を食べよう」と訴えるのではなく、体づくり、美容、健康、時短など、生活目的に米食の価値を結び付け、世代や関心に応じた価値提案・情報発信へ転換する。
◆ 「食べよう」という義務感ではなく、体づくり、美容、健康、時短など、生活目的に米食の価値を結び付ける。
◆ 若年層にはSNSやショート動画、中高年層にはテレビやレシピサイト・アプリなど、世代や関心に応じた情報発信を展開する。
◆ スポーツ・フィットネス分野との連携を強化する。
◆ 多様なライフスタイルや食のニーズに対応するため、米粉等を使用したパンやパスタなど、米加工品の商品開発や普及を促し、生活者が日常の中で自然に米を選べる機会を広げる。
提言4 医療・栄養指導のアップデートと「大人の食育」を推進する
医療・保健指導の現場に最新の科学的エビデンスを反映するとともに、企業の健康経営などとも連携し、大人を対象とした食育を推進する。
◆ 「カロリー削減=ご飯を減らす」といった画一的な指導を見直す。
◆ 学会・医療関係者と連携し、コホート研究など最新の科学的エビデンスの普及を進める。
◆ 栄養表示の在り方について、生活者目線での情報提供を検討する。
◆ 企業の健康経営などと連携し、「大人の食育」の機会を創出する。
◆ 関係省庁とも連携し、政策・医療・教育を横断した取組を進める。
