農林水産省は7月28日、来年6月末の民間米穀在庫数量が、空前の過剰「263~281万t」になるとの見通しを明らかにした。同日の食料・農業・農村政策審議会「食糧部会」に提出した7月指針(米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針)のなかで需給見通しを示したもの。米価の先安感をさらに助長することに繋がりかねず、回避する方策は政府備蓄米の「買戻し」以外にないが、農水省では「令和8年産米の8月末の作柄も含め、様々な需給情報を勘案して『総合的に判断する』」との姿勢を崩していない。

この需給見通しでは、まず今年6月末の民間在庫を243万tと置いた。前年同期(155万t)の1.5倍を超える水準にあたり、当初想定していた見通し(221~234万t)の範囲を大きく上回った。これに伴い、差引で求められる昨年7月~今年6月の需要量に683万tを置いた。こちらは前年実績(674万t)を上回りはしたものの、当初想定していた見通し(691~704万t)からは大幅な下方修正に結果した。
また6月末現在の作付意向から、令和8年産主食用米の生産量を「732万t」と置いた。4月末現在の作付意向からわずか1万tの下方修正にあたり、前年産の生産量(747万t)こそ下回ったものの、当初想定していた見通し(711万t)を大きく上回った。
ここから来年6月末の民間在庫を「263~281万t」と見通したわけだが、差引源である今年7月~来年6月の需要量見通しを「693~711万t」に置いたままのため、この見通しが下方に外れれば、来年6月末在庫はさらに嵩むことになる。
