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需給

外国産米の枠外輸入9月激減も依然高水準、累計9万t弱

 財務省が10月30日に公表した輸入通関実績によると、9月の外国産米輸入量が再び激減したものの、依然として前年同月の160倍前後を維持しており、令和7年(2025)累計が9万tに迫る勢いであることが明らかになった。9月の外国産米(枠外)輸入量は、6,536t(前月比▲56.9%、前年同月比+15841.5%)、8億7,495万2千円(前月比▲55.2%、前年同月比+16489.9%)。

 日本の米の場合、高い輸入関税(㎏341円)が設定されているため、国家貿易で入ってくるものを除けば、ほんの少量しか入って来ないのが通例だった。ところが国産米価格が高騰したことで、高い関税を払っても外国産米を仕入れたほうが安くあがる――そう算段した業者が複数いた模様で、今年に入ってから倍々ゲームで枠外輸入量が急増してきた。

精米の枠外輸入量(9月)

数量金額
韓国40t959万5千円
台湾297t7,164万2千円
ベトナム341t4,417万1千円
タイ158t1,679万7千円
インド86t1,288万8千円
パキスタン81t1,860万4千円
スリランカ77t1,030万8千円
バングラデシュ8t176万2千円
スペイン1t101万6千円
イタリア0t101万1千円
アメリカ5,442t6億8,616万4千円
オーストラリア1t74万3千円
合計6,532t8億7,470万1千円
※9月は籾、砕米での輸入はゼロ。玄米ではベトナムから2t(25万1千円)のみ。

ということは9月の輸入量激減は、随意契約による「安い」政府備蓄米の放出によって、「枠外輸入米では割に合わない」と勘定した結果とみられる。
 単純計算ではあるが、輸入額に関税(㎏341円)を上乗せすると、㎏475円で仕入れることが出来る水準だ。随契米が払底し「高い」新米に切り替わり始めている今から、タイムラグを考慮すると、10~11月の枠外輸入が再び急増する可能性が高い。枠外輸入量は、令和7年(2025)の9月累計で8万8,759t。無関税の主食用米義務輸入枠は年間10万tだから、これを超えるのは確実だ。

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