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相場

「政府米放出」アナウンス効果か、スポット上げ幅鈍化

 政府米放出のアナウンス効果が、スポット価格の上げ幅鈍化という形で、如実に表れた。
 米穀のスポット取引業者㈱クリスタルライス(東京都中央区)は2月20日、令和6年産米の2月上期(1~15日)主要3銘柄の取引価格を公表した。それによると、青森まっしぐら、関東コシヒカリの2銘柄が過去最高値を更新したものの、上げ幅が鈍った。また関東銘柄米に至っては、わずかながら下げに転じている。令和6年産のCR価格が下がったのは初めて。ただ、公表銘柄数が前期(1月下期)の7銘柄から3銘柄に減ったことからして、取引数量が増えたわけではなさそう。CRの公表銘柄数は、取引数量の多寡に応じて変動する。総じて様子見に入ったといったところか。

2月上期のクリスタルライス取引価格
(関東着値、1等、包装代込み、税抜き)
青森まっしぐら48,583円2月上期比+741円
関東コシヒカリ48,146円2月上期比+973円
関東銘柄米45,241円2月上期比▲150円

 我が国玄米流通の大宗を占める集荷業者-卸売業者間の「相対あいたい取引」を補完するのが、スポット取引。相対に比べればスポット取引の規模は遙かに少ないため、その取引価格はどうしても上振れる傾向にある。また米穀卸の全国団体、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の子会社である㈱クリスタルライスは、あまたあるスポット取引業者のなかでも唯一、取引価格を「公表」する存在のため、「意図的に価格を吊り上げている」といった邪推を受けやすい存在でもある。
 上記の価格は、同社の取引で成約した価格を加重平均したもの。なお「関東銘柄米」の内訳は、あさひの夢、とちぎの星、彩のきずな、ふさおとめ、ふさこがねなど。

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