米穀のスポット取引業者㈱クリスタルライス(東京都中央区)は10月6日、令和7年産米で初となる9月下期(16~末日)主要7銘柄の取引価格を公表した。それによると、前年同期比+7,132~8,997円の居所でスタートしている。前年産が下落する途中、今年6月下期頃を若干上回る水準だ。他のスポット市場の動向からして、ここから下げ基調に入るものとみられる。ただし急落ではなくジリ下げか。
9月下期のクリスタルライス取引価格 (関東着値、1等、包装代込み、税抜き) | ||
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北海道ゆめぴりか | 36,259円 | 前年同期比+8,997円 |
北海道ななつぼし | 35,050円 | – |
青森まっしぐら | 34,300円 | – |
宮城ひとめぼれ | 34,917円 | 前年同期比+8,506円 |
関東コシヒカリ | 34,696円 | 前年同期比+8,240円 |
関東あきたこまち | 33,878円 | 前年同期比+7,611円 |
関東銘柄米 | 32,829円 | 前年同期比+7,132円 |
我が国玄米流通の大宗を占める集荷業者-卸売業者間の「相対取引」を補完するのが、スポット取引。相対に比べればスポット取引の規模は遙かに少ないため、その取引価格はどうしても上振れる傾向にある。また米穀卸の全国団体、全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の子会社である㈱クリスタルライスは、あまたあるスポット取引業者のなかでも唯一、取引価格を「公表」する存在のため、「意図的に価格を吊り上げている」といった邪推を受けやすい存在でもある。なお上記の価格は、同社の取引で成約した価格を加重平均したもの。
