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「おこめ券」配布で米価への影響、鈴木農相「ほぼ、ない」

 鈴木憲和農相は12月12日の閣議後定例会見で、「おこめ券」の配布による米穀需給への影響は「限定的」、米価への影響は「ほぼ、ない」との見通しを示した。重点支援地方交付金を活用して「おこめ券」を自治体が配布した場合、ただでさえ高止まりしている米価の下支えになるのではないか――との指摘に応えたもの。「令和7年産米の供給量が、需要量に比べて潤沢と見通しているため」米穀需給への影響は「限定的」。「重点支援地方交付金は食料品の価格高騰対策として措置しているため、みんながみんな(自治体が)おこめ券の配布を選択するとは限らない」ことから、「価格への影響は、ほぼ、ないと考えている」とした。

一問一答(12月16日、閣議後定例会見から抜粋)

(略)

 記者 米の価格についてお伺いします。先週金曜日に発表されたKSP-POSの方では、銘柄米が82円値下がりするという、最近では結構値下がりしたのですが、同じ日には、生産量が減反廃止後最大になるのがほぼ確実というような発表もされたりしまして、この値下がりというのは価格下落への一歩目となるか、どのようにお考えか教えてください。

 大臣 先週12月12日に公表いたしました、これは12月1日から7日までのスーパー等での米の平均小売価格、これが、いつも私たちが申し上げている3つの指標とも全て低下をするということになりました。最近の動向から見ると、これは事実上ほぼ横ばいであるというふうに考えておりますが、その要因としては、全体のKSP-POSにおける約7割を占める銘柄米の平均価格が82円低下したためと考えられております。ただ、ブレンド米の平均価格は99円上昇したため、平均では14円の低下というふうになっています。価格はマーケットの中で決まっていくものであって、私として予断をもって何か申し上げるということはありませんが、ただ、この米穀機構のDI調査の結果を見ると、米の取引関係者が、今後価格が低下すると見通している傾向が強まっているという結果も出ているところでありまして、引き続き、需給と価格の動向を注視してまいりたいと思います。

 記者 銘柄米についてはすごく下がったかなと思うのですけれども、それがDIが示しているような、下がっていく傾向の一つになるのかどうか、その点は。

 大臣 これは、そもそものデータというのは、限られたある種ところをサンプリング的にとっているデータでもありますし、小売の現場でそれぞれどのような価格設定にするかというのは、それぞれの店舗のご判断もあろうかと思いますので、一概に何かそれで全てということではないというふうに私としては思いますが、ただ、先ほど申し上げたとおり、この米穀機構のDI調査の結果というのもありますから、そうしたものをしっかり注視していきたいと思います。

 記者 お米券を含む食料品支援の関係でお伺いしたいのですけれども、補正予算案の成立が近づいております。このお米券を含む食料品支援につきましても、裏付けとなる予算が成立するということで、また少しフェーズが進むということになるかと思うのですけれども、改めてこの成立への期待や受け止めについてお願いいたします。

 大臣 補正予算について今、参議院で審議中ではありますが、今般の重点支援地方交付金では、生活者に対して足下の食料品の物価高騰への支援を手厚く実施をしていただけるように、市町村に対して特別加算が措置をされることとなると思います。本交付金は、地域の実情に応じて、どのような支援を実施するかについて、各自治体で適切にご判断いただくものと考えておりますが、本交付金により、必要な食料品の支援が有効に行われることを私としては期待をしております。

 記者 改めてになるのですけれども、お米券、もしこれ配布ということを多くの自治体を選んだ場合に、お米の価格の高騰につながるんじゃないかという指摘もあると思うのですが、これについて、改めてですが大臣のお考えをお願いいたします。

 大臣 どういう支援をするかということについては、まさに自治体がそれぞれご判断いただけるものだというふうに考えておりますし、地域の実情に応じて適切にやっていただければというふうに考えております。一方で、令和7年産の米の供給量、これは需要量に比べても潤沢と見通しておりますので、米の需給バランスへの影響というのは限定的ではないかと考えております。

 記者 米の価格に伴ってもち米の価格も高騰しております。正月向けのお餅の価格も値上がりしているという話もありまして、取材を進めますと、餅店や和菓子店から「もち米価格が2倍になった。ただ値段に転嫁できないため、経営面で大きなダメージを受けている」という声もありました。こういったもち米を扱う業者やお店に対して、何らか手当や支援を検討する可能性はありますでしょうか。もち米等の価格高騰の受け止めと併せてお願いいたします。

 大臣 令和7年産の主食用のもち米の価格、これについては、米穀機構が公表しています「もち米をめぐる状況」によると、6年産よりも取引価格が大幅に、大きく上昇している状況にあります。生産動向については、産地によるばらつきというのがあるのですけれども、全体としては6年産と同程度ということにまずなっております。ご質問のありました、特定の事業者への支援については、例えばこれまで重点支援地方交付金を活用して、米の加工品の業者に対して支援を行っている事例もあるというふうに承知をしております。必要に応じて、そのような取組の情報提供などの対応、これを行ってまいりたいと思います。また、同時にこれはお餅も食品でありますから、まさに特別加算、この部分はしっかりとご活用いただいて、早いところでは年内に届く自治体もあるというふうに聞いておりますから、そうしたところについては、お正月用のお餅も対象となるのではないかというふうに考えております。

 記者 お米券なのですけれども、元々課題になっていた過重な手数料で、JAや米穀団体が圧縮するというような話になっているのですけれども、現時点で大臣、どのくらい圧縮できそうだとお考えでいらっしゃいますか。全米販及びJAの60円の手数料がどのぐらいになるかと。

 大臣 全米販から今の時点で報告を受けていただいているところによると、自治体向けの今回の重点支援地方交付金を活用したものは477円でということになりますから、(手数料が)60円だったところが37円になるということになります。

 記者 なるほど半分ぐらい。まだまだちょっと。百貨店の商品券などはこれゼロですから、まだまだ高いような気もしますし、自治体の側にもそれを懸念する声は依然として多いと思っておりますけれども、大臣の地元の山形の基礎自治体に、市町村に聞いてみるとやはり難しいと、お米券はね。大臣のお顔を立てるのであれば、米も買える何らかのポイントであったり、地域振興券であったりということぐらいかなというふうに言っていますけれども、大臣、もう農水省の方々を煩わせるのもあれなので、お米券をとおっしゃるのは撤回されたらいかがですか。

 大臣 それはまさに、それぞれの自治体のご判断だと思います。

 記者 撤回をしないと。

 大臣 はい。自治体のご判断だと。これは最初から申し上げていることであります。ちなみに申し上げると、お米券を活用していただけるというふうな自治体もあるというふうに聞いておりますので、それはそれぞれの自治体のまさにご判断で進めていかれるものだというふうに考えております。

 記者 かなりお米券をというふうにずっと強調してこられたし、非常に、確かにゼロではないかもしれないのですけれども、このままでいくとかなり少ないと。採用するところはね、お米券を。ということになると、新しい券面を作ることになるJAや全米販、応援するつもりが迷惑をかけるようなことにもなりかねないと思うのですけれども大臣、万一本当に少なかった場合はどんな責任をおとりになるおつもりですか。

 大臣 初めから申し上げておりますけれども、どういう手法でやるかについては、まさに重点支援地方交付金の活用は自治体の判断でありますから、以上でも以下でもありません。

(略)

 記者 先ほど伺った時に大臣、お米券などによる需給バランスへの影響は限定的だとおっしゃったと思うのですけれども、それは価格への影響が限定的だということでしょうか。

 大臣 基本的には今、需給のバランス、かなり供給は十分あるという状況ですので。そしてもう1点は、お米券も含めて今回は食料品の価格高騰対策として重点支援地方交付金を措置をしております。必ずしも全てのもので、皆さんが全てお米を買うかどうかということについては、きっとそうじゃないのだろうというふうに思いますから、それぞれの皆さんが必要なものをご購入いただくための負担軽減の措置ということになります。ですから、そういう点も含めて考えると、価格への影響というのは、ほぼ私としてはないというふうに考えております。

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