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iNSIGHT飯稲米

【iNSIGHT飯稲米】「中東不安が招く米袋不足に死角なし」でも値上げ

 農林水産省が5月24日の「中東情勢に関する関係閣僚会議」第5回会合に、米袋(PP袋)は「原料メーカーからポリエチレンの安定的な供給が継続される見通しとなった」と報告していたことが分かった。だがこれは、米袋の値上げ回避、ひいては米価高騰の回避を意味するものではない。原料であるポリエチレンの「安定的な供給」が一体どこまでのことを指すのか不明確な上、大元の原料であるナフサの確保が全く見通せないなか、すでに複数の米袋メーカーが値上げを表明している。
 ナフサとは粗製ガソリンの一種で、あらゆる石油化学製品の基幹原料になるもの。もちろん米袋の原料であるポリエチレンのナフサから作られる。

 米袋に特化した、あるいは取り扱う包装容器メーカーは、主だったところだけでも9社ある。

 このうち展開していた割引キャンペーンの早期終了を打ち出したのは3社。㈱マルタカ(大阪府大阪市)は3月31日、「本日をもって終了」と発表。同じく3月31日、㈱アサヒパック(大阪府大阪市)は当初5月末までの予定を4月末に前倒し終了すると発表。4月3日になって、㈱東名商会(岐阜県岐阜市)は「4月20日でいったん終了」とした。

 値上げや販売休止の可能性ありをアナウンスしたのは4社。このうち3月27日と最速で発表したのは㈱ナカノ(京都府亀岡市)と前出の㈱マルタカ、㈱アサヒパック。3月30日になってから公表した日本マタイ㈱(東京都台東区)は、具体的に4月1日からの値上げを明らかにしたものの、値上げ幅は「随時見積り」とした上で、「今後のさらなる値上げの可能性」にも言及。また受注数量を「過去の受注実績を上限とする〝場合がある〟」とも。

 明確に値上げや販売抑制(購入制限)を発表したのは2社。前出の㈱マルタカは4月2日、ネット受注で「大量購入」と判断した場合、強制的にキャンセルすると警告。4月3日になって前出の㈱東名商会は、「4月21日受注分から30%値上げ」を打ち出したほか、購入制限、新規受注の休止も。

 ここまでが既報の通りで、以降は具体的に数字をあげて値上げをアナウンスする動きが出てきた。
 4月17日、㈱ナカノが5月1日出荷分からの値上げを発表。米袋のうちポリ製品+40%以上、ラミ製品+30%以上、クラフト(紙)製品その他10%以上とした。
 4月21日、㈱マルタカが5月1日出荷分からの値上げを発表。米袋のうちラミネート品全般+30%、ポリチューブ品+40%、紙袋+15%とした。
 4月22日、㈱アサヒパックが5月1日出荷分からの値上げを通知。最大+40%とした。
 4月27日、のむら産業㈱(東京都東久留米市)が「出荷の一時停止」を発表。「出荷再開後は価格改定(値上げ)を実施する予定」とした。

 関西のむら産業㈱(愛知県名古屋市)、㈱メイワパックス(大阪府柏原市)、㈱熊谷(新潟県新潟市)の残る3社は今のところ公式なアナウンスをしていないが、個別対応しているものとみられる。

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