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施策・政策

鈴木農相「中東不安が招く米袋不足に死角なし」

 鈴木憲和農相は4月28日の閣議後定例会見で、米袋の確保の目処が立っているとの見解を示した。去る4月24日の「中東情勢に関する関係閣僚会議」第5回会合に報告したもの。ただしこれは、米袋の値上げ回避、ひいては米価高騰の回避を意味するものではない(既報)。また令和8年産の飼料用米に対して、「6~16万t程度の増産が可能」との〝詭弁〟を再び口にしている。

一問一答(4月28日、閣議後定例会見から抜粋)

 大臣 今日冒頭、私からは7点、御報告がございます。
 (略)2点目は、中東情勢に関してであります。農林水産省では、農林水産業・食品産業関連資材につきまして、流通構造などの実態把握を進めております。先週開催をされました、「中東情勢に関する関係閣僚会議」におきましても、高市総理から、資材ごとにきめ細かくサプライチェーンを確認することを含め、御指示をいただいたところであります。こちらの資料を御覧いただければと思います。皆さんにもお配りをさせていただいております。
 農林水産業・食品産業では、サプライチェーンの上流から下流まで、多種多様な資材が使われており、中東情勢の影響が今後どのような分野で生じ得るのか、最大限の注意を払って状況把握に努める必要があります。そのためには、非常に数多くの資材について調査を行う必要がありますが、資材の用途などを踏まえて、調査項目を大枠で整理をさせていただきました。まずはこの57項目について、これまで順次調査を進めてきているところであります。調査項目を整理する上では、もう一つの、2枚目の資料を見ていただければと思いますが、スーパーマーケットの棚に並ぶ容器包装も念頭に、食品を消費者の皆様にお届けするための資材も幅広く把握をしようということを試みております。
 調査を進める上では、数多くの事業者の皆様から御理解をいただき、在庫状況、取引先の動向など、ヒアリングなどを通じて、一つ一つ教えていただいているところであります。農林水産業・食品産業関係者や消費者の皆様の声をいっそう積極的にお伺いをして、調査の対象、方法、着眼点などを改善しながら、実態把握を、現状の把握を進めてまいります。
 3点目になります。先日4月17日の会見で御説明をいたしました、多様な米の「需要に応じた生産」について、先般、お示しすることがちょっと間に合いませんでした、飼料用米の状況を精査をいたしましたので、今日発表させていただきます。こちらのパネルを御覧をいただければというふうに思います。
 飼料用のお米につきましては、国産米を利用して畜産物の差別化などを図っている畜産農家の需要見込みを、約30万tから40万tというふうに推計をしております。これに対して、1月末の作付意向調査の結果を見ると、作付意向は24万t程度でありまして、依然、6~16万t程度の増産が可能な状況にあります。先日の会見でも申し上げましたが、「需要に応じた生産」とは、主食用、業務用、加工用など多様な用途のお米について、国内外の需要を創出した上で、その需要を満たしていく、このことを意味をしております。飼料用米については、MA米や政府備蓄米からも供給がなされてきましたが、このパネルのように、国産の飼料用米の活用により、畜産物の差別化を図ってきた畜産農家への安定供給も重要な課題であります。
 このため、私自ら、需要に対して十分な供給がなされるよう、生産者団体に対して、こうした状況をお話をさせていただいております。ゴールデンウィーク明けになりますが、大規模生産者とも、意見交換を行っていきたいというふうに考えております。
(略)

 記者 冒頭御説明いただいた、農水省の中東情勢に関する対応チームに関して伺います。57項目の流通実態の把握を進めているとのことですが、チーム発足から、2週間あまり経っているかと思いますので、もう少し具体的な調査結果がわかっているようでしたら教えてください。また、流通構造に関する適切な説明によって、過度な不安感や混乱を抑制できる面もあるかと思いますが、今後どのように情報発信をしていかれるお考えでしょうか。

 大臣 まずは農林水産業・食品産業関連資材のうち、57項目について、順次調査を進めてきているところであります。これまでの調査で把握した影響としては、将来の供給に関する不安、そして価格の上昇、また、サプライチェーンの一部での原料供給の懸念や、個別事業者で資材供給が不足するケースが見受けられましたが、何らかの資材で、一般的に、全体として供給が不足するというような事態までは、現状としては見られていないところであります。こうした、原料供給の懸念や、個別的に資材供給が不足するケースにつきましては、中東関係の閣僚会議でも報告が行われておりますが、経済産業省と連携をして、具体的な事業者への供給を行っておりまして、様々な事例が解決をされているところであります。
 今後も調査方法など改善をしながら、実態把握を進めまして、資材供給が不足する個別ケースの解決は、しっかりと図らせていただきながらも、今後の農林水産業・食品産業関連資材への中東情勢の影響への機動的な対応をさせていただきたいというふうに思っております。

 記者 2点あります。1点目は、先ほど冒頭に発表されていた、飼料用米の関係ですけれども、まずこの需要見込みが、30から40万tと推計されているというところですが、改めてどのような数字というか、この量に推計した根拠というのをちょっとお伺いしたいんですけれども。

 大臣 これ()見ていただくとあれなんですけれども、えさ用のお米については、特にこれ畜産サイドから見たときに、例えばですけれども、地元産のお米の利用にこだわって、要するに商品として地元のお米を使っています、ということで売っている畜産経営の皆さんが必要なえさの量、そして国産米ということで、日本産の米を使っている畜産物ですよ、ということでやっている、この黄色のところでありますけれども、畜産経営で必要な飼料用の国産のお米の量、そして、緑のところは、国産米の利用にこだわりつつも、併せてMA米も、全てが国産米というわけではなくて、でも米を使っていますよということで、そこにこだわって畜産経営をしている方、大体この3つを足し合わせますと、30万tから40万tということになります。他にも、もちろんえさ用のお米、当然、飼料全体として見ると、需要は100万t近くまで、これまでの説明通り、当然あるわけですけれども、国産米でないと困るという需要というのが、大体30万tから40万tで、そこについては少なくとも、国内でしっかりと生産をしていただくというのが必要であろうということで、この数値とさせていただきました。

 記者 その関連で、この図は水田政策の飼料用米の部分でも示されていたと思うのですが、過去を見ると、国内の飼料用米生産というのも、50万tを超えたり、80万tに行ったりとか、この数字よりも多く生産されていた時期が多いと思うんですが、それを考えると、逆に言えば、この数字を示されたことによって、支援がシュリンクしていくのではないかという懸念も出てくるかと思いますが、その点大臣はいかがでしょうか。

 大臣 米については、やはり大事なことは「需要に応じた生産」ということだと思います。その中でも、当然、国内産の米の方が、できる限り望ましいという需要については、しっかりと把握をした上で、国産米で多様な、これは業務用米ももちろんそうですが、それを供給していける体制をいかにして作るかということが大事だというふうに考えております。御指摘の令和6年度以前の飼料用米の生産実績は、大変大きなものがあるんですけれども、直近の状況を踏まえれば、飼料用米の安定確保に向けては、30万tから40万tというのが、現実的に適当な生産量ではないかというふうに考えております。
 飼料用米に対する支援の在り方については、今まさに検討中でありますけれども、今後、現場の声も伺いながら、詳細な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。現場の声というのは、やはり生産者サイドももちろんでありますけれども、畜産サイドのお話というのも、しっかりと伺わなければならないというふうに考えております。

 記者 もう1点なんですが、中東情勢の関係で、先日の閣僚会議で、農業関係でマルチと米袋の確保の目処が立っているというような趣旨のお話でしたが、それ以外、今日示されている様々な資材の関係で、他に確保の目途が立っているもの等あれば、伺いたいんですけれども。

 大臣 大きく分けて57ということで、細かく見ていくと、もっとかなり細かくという話になってしまうんですけれども、調査項目の中でも、今現在、どのように調査を進めているかというと、生産流通において、特に広く利用されているもの、そして事業者・消費者の皆様から、今、不安があるみたいな情報が寄せられたもの、そういったものを少し優先的に把握を進めているところであります。
 こうした中で、現状として優先度を高くやっていますのは、先日、閣僚会議でも報告をさせていただきました、食卓に主食を届けるために不可欠な米袋やパンの袋、そして食肉流通で、衛生品質管理に必須の食肉包装用のフィルム、また食生活で広く利用される植物油の抽出に必要な溶剤であるヘキサン、そして野菜などの安定生産に欠かせない農業用マルチフィルム、また水産物の供給に必要な代表的な資材である発泡スチロールなどについて、情報把握が、今、充実をさせていただいているところであります。今、調べている範囲においては、一部の偏りは、確かに当然あって、事業者によっては、先の目途が立たないというお話も多少ありますけれども、そこは個別に解決させていただいておりますし、また同時に国全体では、量は十分足りていると、現時点では調査をした結果そうなっております。

 記者 今おっしゃった5つのものが、もう確保の目途が立っているということなんでしょうか。

 大臣 そのように考えていただいて結構です。ただ個別に、もしまた情報がありましたら、是非、農林水産省の窓口に寄せていただければ、しっかり経産省と連携をして対応させていただきたいと思います。

 記者 冒頭ありました、マレーシアへの出張についてお伺いします。現地の尿素供給会社との意見交換ということですけれども、改めてイラン情勢を受けた肥料の国内供給の現状認識と課題、また今回、このタイミングでマレーシア企業との意見交換に行く意義とねらいについて、改めて教えてください。

 大臣 肥料については、尿素、リン、カリと3要素ありますが、供給先の国の状況、そしてそこでの生産の状況、また船の調達の状況を見ると、全体として、量の供給は、備蓄も含めまして十分あるというふうに考えております。ただ、当然、イラン情勢も含めて先が見通せませんので、どんな状況であっても、肥料の安定調達に支障の出ることのないようにという観点で、この度、ナフサも併せまして、マレーシアにお邪魔をさせていただきます。
 できうれば、先方との今後のやり取りになりますが、更に日本向けの安定調達で、どういったやり方が考え得るか、先方と議論した上で、一定の方向性をまた出させていただきたいと思っております。

(略)

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