農林水産省の補助事業、令和8年度(2026)米粉原料安定供給事業の公募事務局として、㈱日本農業新聞(東京都台東区)が4月30日、名乗りをあげた。7月1日から公募を開始するそうな。
募集するのは、生産者らと複数年契約を結んで米粉用米を調達する製粉企業や食品製造業者だ。要件を満たせば、米粉用米の調達費を補助する仕組み。その額、最大で玄米1tあたり20,000円。
確かに米粉用米の需要は、近年高まりをみせている。だが残念ながら生産者の作付意向は、この高まる需要を満たすに至っていない。例えば令和8年産米の今年1月末現在の作付意向調査によると、需要6万tに対し、作付意向わずか2万t(約4千ha)。実に3分の1しか需要を満たせていない。何故か。生産者にしてみれば、米粉用米を作付けても儲からないからだ。
主食用、加工用、輸出用、飼料用、米粉用。本来これらの米そのものに違いはない。同じ米だが、用途によって使い分けているに過ぎない。やっかいなのは、同じ米なのに、用途によって価格が違う点だ。当然、主食用米が最も高い。それでは他の用途に仕向けられないので、差額を補助金で補填することで、何とか需要を賄ってきた。
ところが主食用米の値段が高騰した結果、補助金で補填しても他の用途との差額を埋められなくなってきた。生産者手取りベースだと、主食用米は昨年11月にピークの玄米60㎏あたり29,910円をつけた。これに対し、米粉用米は、ざっと7,000~9,000円程度。水活(水田活用の直接支払交付金)によって10aあたり最大10万5千円の補助があるが、60㎏換算すると9,264円にしかならない。足しても最大18,264円だ。まだ主食用のほうが10,000円以上高い。
そこへ今回の補助事業だ。生産者に直接お金がいくわけではないが、最大1t20,000円を60㎏換算してみよう。……1,200円だ。ハッキリ言って、「焼け石に水」という表現にすら及ばない水準でしかない。
これで米粉用米の需要を満たせるものか、非常に心許ない。もちろん事務局である㈱日本農業新聞には、公募を完売させる義務はないのだが、それにしても徒手空拳に過ぎる。
とはいえ「農協の機関紙」を標榜する日本農業新聞のこと、必ずや秘策があるに違いない。まずはお手並み拝見といきましょうか。
【放れ駒】拝啓、日本農業新聞さま。お手並み拝見さていただきます
放れ駒