米穀機構(《公社》米穀安定供給確保支援機構、東京都中央区)は3月6日、主に令和7年産で構成される米の生産・流通コストが、同日現在で前年同期比+3.4%の玄米60㎏あたり30,355円(+1,004円)、精米5㎏あたり2,811円(+93円)になるとの試算を公表した。現在の店頭価格が4,000円前後であることから、差額をどの段階で利益として吸収しているのか、注目の集まる結果となった。
4月1日の食料システム法(食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律)完全施行に向けて、「最低限の」コスト指標を示したもの。生産から小売まで各段階の関係者が集まった米の「コスト指標作成等委員会」第4回会合で合意した算出方法に基づいている。
したがって各段階で利益は一切含まれていない。実際の取引場面では、個別に利益その他を上乗せし、当事者間で価格を決めることになる。だが当事者の〝力関係〟によって、今回示したコスト指標が「下限価格」と受け取られ、この下限に張り付いてしまう危険性も孕んでいる。
コスト指標は年1回、毎年3月の改定を予定している。また今回の試算値を各段階ごとに前年比でみると、生産段階が「+3.6%」と最も高い。相対価格の下限に相当する生産+集荷段階コストは60㎏22,981円(+788円)に過ぎないが、実際の相対価格(1月末までの加重平均)は前年比+44.8%の60㎏36,451円(+11,272円)。差額は実に+351.1%の60㎏13,470円(+10,484円)になる。これが丸々生産+集荷段階の利益になっているのだとすれば、令和7年産は「儲けすぎ」だったことになる。
買入入札の実施が遅れている令和8年産政府備蓄米の買入にあたって、農林水産省は今回のコスト指標を買入予定価格の参考指標にと期待していた節がある。逆に言えば、60㎏22,981円にいくら積んで買入予定価格を形成するか、大いに注目が集まることになる。


